2021年1月
薬学実務実習における薬局・病院合同処方解析教育プログラムの導入とその評価
薬学教育
- 巻
- 4
- 号
- 開始ページ
- 163
- 終了ページ
- 170
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本薬学教育学会
2018年度より開始した報告書を連携ツールとした薬局・病院合同教育プログラム(以下、教育プログラム)が実習生の処方解析能力にどのような影響を与えたかについて検証した。本教育プログラムを受講した22名のうち、全3回の処方解析発表を行った20名(91%)を解析対象とした。処方解析内容に対する自己理解度の項目(評定尺度は、「5.とてもそう思う〜1.全くそう思わない」の5段階)では全項目で平均値が4以上であったが、医薬品情報を調べるツール、収集すべき患者情報の2項目で1もしくは2を付けた実習生がいた。処方解析発表会への準備の項目では、発表内容の十分な調査および予測質問への準備では11名(92%)の実習生が5または4と回答した。これに対し、症例選択の容易さについては、1または2と回答した実習生が8名(67%)であった。処方解析発表会の振り返りに関する項目は全項目で3.5以上であったが、11名(92%)の実習生が予測されない質問がされた点に関して5または4と回答した。本教育プログラムに対する総合評価に関する項目は全項目で平均4以上であった。実習生の自由記述内容から、本教育プログラムについて有益な点は、自身の成長の実感、発表会の存在によるモチベーションの維持、主体的な学習習慣、他者からの学びの4項目に、改善を要する点は、発表会後のフィードバック、報告書作成における制限と負担、教育プログラムに関する事前説明、発表会の運営方法の4項目に分類された。
- ID情報
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- ISSN : 2432-4124
- eISSN : 2433-4774
- 医中誌Web ID : V201600021