2020年9月
シクロホスファミドの最大気化量と分布に関する研究(The Maximum Levels and Distribution of Volatilized Cyclophosphamide Gas in Air)
日本職業・災害医学会会誌
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- 巻
- 68
- 号
- 5
- 開始ページ
- 301
- 終了ページ
- 306
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本職業・災害医学会
背景:シクロホスファミドはナイトロジェンマスタードから開発され、アルキル化抗がん剤として使用されている。シクロホスファミドはガス化することが疑われており、職業曝露を防ぐために注射薬調製時には閉鎖式混合調製器具の使用が推奨されている。しかし、これまで空気中のシクロホスファミド量に関する報告は相反していた。方法:シクロホスファミドの最大気化量を測定するため、外部から天井の移動をコントロールできる小箱が入った気化箱を各温度に置いた。シクロホスファミドガスの分布は、ファンを中で回していない気化箱を使って調べた。結果:シクロホスファミドの最大気化量は23℃で0.99ng/mLであり、この値は医療従事者が被ばくしうる上限値と考えられる。シクロホスファミドの分布に関しては、気化室の下層と中層では高さ依存的であったが、上層では検出限界以下であった。結論:私たちの研究は各温度下でのシクロホスファミドの最大気化量および分布を示したものである。これらの結果はシクロホスファミドの職業曝露を防ぐために寄与するであろう。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 1345-2592
- 医中誌Web ID : 2020401572