2019年7月
構造化オーバーレイネットワークを用いた条件付きマルチキャストの提案
マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2019)シンポジウム予稿集
- 開始ページ
- 274
- 終了ページ
- 283
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(研究会,シンポジウム資料等)
構造化オーバーレイネットワークによって,指定した条件を満たすノードに選択的にメッセージを配送する方法を提案する(条件付きマルチキャストと呼ぶ).各ノードuはユニークなキー(u.key)およびノードの状態を表す値(u.value)を保持する.条件付きマルチキャストでメッセージを配送するには,配送先のキー範囲rおよび条件を指定する関数matchを指定する.メッセージは (p.key ∈ r) ∧ (match(p.value) = true) を満たすすべてのノードpに配送される.提案手法はChord#をベースとした構造を持つ.各ノードが経路表の各エントリに,あるキー区間のノードのvalueを集約した値を保持することで,当該区間内に条件にマッチするノードが存在する可能性がある場合のみメッセージを配送する.経路表が収束している場合,条件付きマルチキャストに必要な最大ホップ数は ⌈log2 n⌉ である(nはノード数).提案手法には集約値を含む経路表を効率よく収集するアルゴリズムも含む.本稿では提案手法の詳細と性質,応用例などについて述べる.