2017年4月 - 2020年3月
食物摂取頻度調査票による食事由来の炎症能評価の妥当性と大腸がんリスクの関連
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
生体内の慢性的な炎症は、がん細胞の発生や増殖に関わる。食事は炎症状態に関わる要因の一つであるが、食事には炎症を抑制する成分と促進する成分が含まれるため、食事が炎症に与える影響は総合的に評価する必要がある。近年、その総合的評価の指標として、Dietary Inflammatory Index (DII)が国際的に使われており、疾病との関連が報告されている。しかし、食生活が欧米と異なる日本からの報告はない。さらに、近年日本で罹患が増加している大腸がんも炎症がリスクとなるが、特定の食品の予防効果では統一した見解が得られていない。本研究では、日本人を対象とした大規模前向きコホート研究(JPHC研究)により食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いて評価したDIIの妥当性を検討し(研究①)、DIIと大腸がんの関連を検討する(研究②)ことを目的としている。
本年度は、研究①として、食事の妥当性研究対象者565名の食事記録(DR)、FFQ、血液を用いて、食事調査データから計算したDIIが炎症マーカー(CRPおよびIL-6)と関連があるか、重回帰分析を用いて検討した。その結果、男性ではDIIとCRPの間に有意な関連はみられなかったものの、DIIとIL-6との間に有意な正の関連が観察され、DIIによる食事評価の妥当性が確認できた。一方、女性においては、CRPおよびIL-6ともにDIIとの間に有意な関連はみられず、DIIによる食事評価の妥当性が確認できなかった。
本年度は、研究①として、食事の妥当性研究対象者565名の食事記録(DR)、FFQ、血液を用いて、食事調査データから計算したDIIが炎症マーカー(CRPおよびIL-6)と関連があるか、重回帰分析を用いて検討した。その結果、男性ではDIIとCRPの間に有意な関連はみられなかったものの、DIIとIL-6との間に有意な正の関連が観察され、DIIによる食事評価の妥当性が確認できた。一方、女性においては、CRPおよびIL-6ともにDIIとの間に有意な関連はみられず、DIIによる食事評価の妥当性が確認できなかった。
- ID情報
-
- 課題番号 : 17K18389
- 体系的番号 : JP17K18389