共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

ヒトの嗅覚に起因した情動変化に伴う食物嫌悪出現の特徴とメカニズム

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
20K19733
体系的課題番号
JP20K19733
配分額
(総額)
3,770,000円
(直接経費)
2,900,000円
(間接経費)
870,000円

混合臭を嗅いだ際に認知できる食材の種類の特性について
【目的】食事の混合されたにおいをヒトはどの程度認知できるか把握する。また,食べ物のにおい認知と食物臭嫌悪を誘導する情動との関連を検討する。
【方法】あらかじめ単独試料のにおいを学習させ,その際ににおいに誘導される情動(快・不快)をVisual Analogue Scale (VAS)で評価させた。その後に,2種混合のにおいの同定検査を実施し,提示した6種類の中から2種類のにおいを選択させた。その際に混合のにおいに誘導される情動(快・不快)もVASで評価させ,単独試料の評価と比較した。なお,観察研究に使用する試料はにおい識別装置でにおいの質と強さを分析し,においを嗅いだ際に誘導される情動(快・不快)との関連を検討した。
【結果】2種混合でもバナナ(正解率85.3%),煮魚(正解率82.4%),フレープフルーツ(正解率70.6%)はにおいを認知されやすかった。ただし,臭気指数が高く,快なにおいのグレープフルーツよりも,不快なにおいのバナナと煮魚の方が高い正解率で認知された。また,不快なにおいである煮魚(VAS 35.9)と快なにおいであるグレープフルーツ(VAS 79.9)を混合すると,さらに不快なにおいが強くなった(混合VAS 20.8)。
【結論】嗅覚の特性は快なにおいを認知するよりも,不快なにおいを認知する能力が優先されており,この能力は動物が本能として持つ不快なにおいを敏感に察知して,危険を回避する防御機能の一部であると思われた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K19733
ID情報
  • 課題番号 : 20K19733
  • 体系的課題番号 : JP20K19733

この研究課題の成果一覧

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