May, 2012
大形石棒と縄文土器-異質な二者の対置と象徴操作-
縄文人の石神~大形石棒にみる祭儀行為~(谷口康浩編、六一書房刊)
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- 164
- Last page
- 182
- Language
- Japanese
- Publishing type
大形石棒と縄文土器が竪穴住居床面で共伴する例を集成し、奥壁部や左右での対峙など意図的な配置であることを指摘した後、土器同士の対置、石棒と石皿の対置などとともに異質な二者を意図的に対置しているものと解釈した。これらを含めて、縄文土器や石棒にみえる、製作時における同一個体内への異質な二者の「共存」、打ち欠きや加工という使用時の行為による「除去・付加」、遺棄時に別個体を対置させる「結合」などの諸表現は、いずれも「異質な二者」の中間的な力を引き出すための象徴操作であると解釈できる。
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