2018年6月
縄文時代廃屋墓における追葬・改葬行為
考古学研究
- 巻
- 65
- 号
- 1
- 開始ページ
- 12
- 終了ページ
- 33
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 考古学研究会
追葬・改葬は、死者への接近機会の累積という点で共通しており、本稿では縄文時代中期の東京湾岸において顕著にみられる廃屋墓における具体例を整理した。廃屋墓は1基に1体を葬るもののほか、姥山貝塚など中期中葉段階における床面への複数遺体の追葬が知られてきたが、中期後葉段階での覆土に複数の遺体を葬る例の多いことも注目される。廃屋墓の多くは上屋を伴わない窪地景観を現出させるものであり、床面への水平的追葬も間もなく複数の層位にわたって垂直的に追葬する方法へと移行する。一方、遺体の人為的移動・毀損、覆土中での部分骨・集骨などの事例から、死後時間を経て遺体を操作する改葬行為がしばしば行われていたことも明らかである。上屋を解体した竪穴跡地利用と、遺体の骨化には、継続的関与という共通項を指摘でき、葬送の場と遺体の扱いが連動しながら展開していったことを示している。
- リンク情報
-
- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/40021628174
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00371939
- 共同研究・競争的資金等の研究課題
- 出土状況・セット関係にみる縄文時代中期の儀礼行為に関する基礎的研究
- URL
- http://id.ndl.go.jp/bib/029149059