共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

転移性口腔癌細胞を用いた鶏卵漿尿膜移植法の確立と治療標的分子の同定

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
21K09862
体系的課題番号
JP21K09862
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

頸部リンパ節や遠隔臓器へ転移をきたした口腔癌は予後不良となる。複雑なステップを経て成立する口腔癌の転移を解析するためには、癌進展を模倣した「癌細胞モデル」と「動物実験モデル」が必要である。本研究は癌細胞モデルとして高転移能を有する口腔癌細胞株を使用し、転移に関わる遺伝子の発現・ネットワークを解析する。また動物実験モデルとして、鶏の有精卵を用いた鶏卵漿尿膜移植法(Chorioallantoic Membrane Assay: CAM assay)を確立する。本研究は、これらの癌細胞モデルと動物実験モデルを組み合わせて口腔癌転移の治療標的分子の同定を目指す。
今年度は「高転移能を有する口腔癌細胞の遺伝子発現解析」と「CAM assayの確立」を目指した。
遺伝子発現解析として、舌癌細胞株HSC-3細胞とその高転移能株HSC-3-M3細胞のトランスクリプトームを比較解析した。この2つの細胞の発現変動遺伝子リストを用いてGene Ontology(GO)解析を行なったところ、blood vessel development、regulation of cytokine production、extracellular matrixなどのGO termが抽出された。またIngenuity Pathway AnalysisではHSC-3-M3細胞の転移を制御するpathwayや因子が予測され、これらが治療標的候補となる可能性が示唆された。
上記解析と並行して、口腔癌進展を再現するためにCAM assayの確立を試みた。孵卵10日目の有精卵に窓を開けて漿尿膜を露出し、HSC-3細胞とHSC-3-M3細胞を移植した。いずれの細胞も移植4日目には肉眼的に観察可能な腫瘍塊を形成した。病理組織学的に検索すると癌細胞が密に増殖しながら周囲組織に浸潤する像が認められた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K09862
ID情報
  • 課題番号 : 21K09862
  • 体系的課題番号 : JP21K09862

この研究課題の成果一覧

論文

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講演・口頭発表等

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