論文

2017年12月

Low normal color visionと考えられた父娘例

日本視能訓練士協会誌
  • 小鷲 宏昭
  • ,
  • 西岡 大輔
  • ,
  • 山口 咲子
  • ,
  • 安達 恵利香
  • ,
  • 松岡 久美子
  • ,
  • 林 孝雄

46
開始ページ
231
終了ページ
237
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.4263/jorthoptic.046F126
出版者・発行元
(公社)日本視能訓練士協会

【目的】色覚検査において正常と診断されても色弁別能が弱いものは、Low normal color visionと呼ばれる。今回我々は、色覚検査では正常色覚と診断できるが、アノマロスコープにて混色等色域の拡大がみられる、Low normal color visionと考えられた父娘例を経験したので報告する。【症例】17歳、女子。母親に色覚異常を指摘され来院した。今まで色覚検査を受けたことはなく、私生活においても不便さを感じていなかった。石原色覚検査表IIで誤読3表、Panel D-15はminor errorsであった。アノマロスコープでは正常Rayleighにて混色30-40へ等色範囲の広がりがみられたが、1型・2型Rayleighでは等色は起こらなかった。日常生活では赤と茶、青と緑を誤認することがあった。後日、両親に色覚検査を施行し、母親は全検査において正常であった。父親は石原色覚検査表IIにて誤読1表、Panel D-15はno errors、アノマロスコープにて混色35-40へ等色範囲の軽度な広がりがみられたが、色誤認の経験はなかった。【結論】父娘ともアノマロスコープにて等色域の拡大がみられたことから、Low normal color visionと考えられた。石原色覚検査表やPanel D-15においておおむね正常と判定されても、僅かな誤りがある場合はアノマロスコープで精査することが重要である。(著者抄録)

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.4263/jorthoptic.046F126
ID情報
  • DOI : 10.4263/jorthoptic.046F126
  • ISSN : 0387-5172
  • 医中誌Web ID : S306160029

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