2020年4月 - 2023年3月
スポーツ活動中の衝撃負荷から児童期の傷害発生機序を探る
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
令和3年度(2年目)は、1年目に行った基礎データを土台として、2つの横断研究を行った。《研究1》小学3~6年生の男子サッカー選手63名を対象として、8人制サッカーの試合中に生じる体幹加速度を計測した。高加速度場面(合成加速度>6Gおよび>8G)の発生頻度を算出し、学年ごとに比較した。6年生(>6G:1分間あたり2.93回、>8G:1分間あたり0.44回)は3~5年生(>6G:1分間あたり6.47~7.69回、>8G:1分間あたり0.98~1.04回)に比べて高加速度の発生頻度が少なかった。また、成分加速度の大きさ(合成加速度>6G)を比べてみると、6年生(平均:8.2G)は3~5年生(平均:7.6~7.9G)に比べて、体幹長軸に作用する加速度が有意に大きかった。《研究2》小学3~6年生の男子サッカー選手の保護者1,200名(300名×4学年)を対象として、子どもの成長痛(膝痛および踵痛)についてアンケート調査を実施した.疼痛経験の有無とあわせて、成長関連障害の危険因子(年齢、身長、体重、利き足、ポジション、サーフェイス、1週間当たりの練習時間および練習日数)を調査した。過去1年以内に成長痛を有した選手は、年齢が高く、体格(身長、体重)が大きく、1週間当たりの練習量(時間、日数)が多かった。多変量解析(ロジスティック回帰分析)の結果、年齢、身長、1週間あたりの練習時間が膝における成長痛の危険因子として抽出された。また、踵の成長痛は体重および1週間あたりの練習日数が危険因子となった。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K11320
- 体系的課題番号 : JP20K11320