共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

直接誘導骨芽細胞の疾患モデル動物への応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K09640
体系的課題番号
JP18K09640
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

顎骨腫瘍手術後の大規模骨欠損や歯周病に伴う歯槽骨吸収による歯牙喪失はQOL(quality of life)を著しく低下させる。近年、線維芽細胞から目的細胞へ直接誘導する技術(ダイレクト・リプログラミング)が報告され、申請者らも骨芽細胞への直接誘導の研究を行ってきている。本技術を最適化した上で、直接誘導による機能的な骨芽細胞を得ることができれば、今後の基礎的知見および臨床応用に生かすことができる。しかし、再生療法として用いるには、単に誘導骨芽細胞を注入するだけでは、細胞局所周辺環境が整っておらず、大規模な骨欠損や炎症性骨吸収部位に対しては十分な効果は得られない上に細胞移植手技も煩雑で失敗のリスクが高くなる。
そこで抗炎症効果を併せ持つ誘導骨芽細胞を作成するとともに、適切なスキャホールドを併用して、骨欠損部に移植細胞を留め、誘導骨芽細胞の足場環境の炎症制御し、シンプルな細胞移植手法を開発することを目的とした。
昨年度はダイレクト・リプログラミングに適した皮膚線維芽細胞の選定、およびレトロウィルスベクターへの抗炎症性サイトカインIL-10の導入を目標としたが、誘導骨芽細胞自体からの安定した抗炎症作用が認められなかった。
今年度は線維芽細胞から抗炎症効果を発揮する骨芽細胞への直接誘導法を昨年度の試行研究から最適化するとともに、昨年度から確立された細胞とスキャホールドの接着方法を用いて、骨生体組織を体外で培養することを目標とする。その結果により大規模骨欠損および炎症性骨吸収疾患にも対応しうる、新たな骨再生細胞移植療法を確立できる可能性がある。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K09640
ID情報
  • 課題番号 : 18K09640
  • 体系的課題番号 : JP18K09640