論文

2012年7月

看護学生の同一性形成の視点で展開する発達援助の積み上げ型講義の評価 同一性形成のための共同的看護実践による継続した自我事象の変革

鹿児島純心女子大学看護栄養学部紀要
  • 徳永 龍子
  • ,
  • 前田 則子
  • ,
  • 園田 和子

16
開始ページ
31
終了ページ
45
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
鹿児島純心女子大学看護栄養学部

目的:A大学の発達援助論では,人間の成長発達の既習内容を保育園,病院,老人保健施設等の発達援助実践で対象者に照応しながら統合し,実践後その内容を活かした発展学習により到達目標を目指している。講義,演習,実践,講義を連動させた積み上げ型講義である。経験する視点は,人間の成長発達を学ぶこと,社会性の獲得のための主体的な行動,思考様式獲得,対人関係技能の4つとする。本研究の目的は,平成19〜23年度の積み上げ型の講義が到達目標に達したかを評価し,平成24年度からの大学のカリキュラム改正に伴う講義担当者変更にあたり,教育のあり方への示唆を得ることである。方法:調査は,自記式アンケートとし,A大学の平成19〜23年度の看護学生の1年次生254人のうち,同意の得られた222人(回収率87.4%)を調査分析した。結果:人間と看護との関係の表現化として,学生は,人間の成長発達の既習内容から対象者および家族の主体的な行動,発達段階を判断する手段として対人関係技能による支援を看護の役割と表現した。講義形態,予習,振返りの状況としては,知識の獲得のための振返りは205人(92.3%)が肯定的に答えた。積み上げ型講義の展開に関しての自由記述の分析としては,<人間の成長発達の理解と講義の楽しさ><人間の発達と看護との関係を知る自分自身への成長><実践で対象者の特徴,個人差の理解と納得><実践での困惑><学生の自己学習,理解不足の明確化><複数教師の印象的で新鮮で判りやすい講義><複数教師の講義は不統一で戸惑う><講義時間・説明・演習不足><資料への希望><講義への困惑>の10カテゴリーに分類できた。同一性形成のための社会性獲得に関しての自由記述の分析としては,<主体的な予習,復習,実践行動><利点を見る人間理解の思考様式獲得><挨拶,話し方の対人関係技能の充実>の3カテゴリーに分類できた。考察:看護学生が1年生の最初に講義,演習,実践,発展講義の積み上げ型講義を経験することは,同一性形成の「必要性に気づかない」段階から「発達援助の講義目的は人間と看護を統合することと気づく」ことである。この気づきの事実の連続的交替は,学生自身をも人間発達をしていく状態と同一化することである。従って,看護学生が講義,演習で自信を獲得し実践で成功体験ができることは,職業人として必要な自我事象の継続した変革の糸口になると評価できる。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 1348-4303
  • 医中誌Web ID : 2012361719

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