共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

深部磁気構造研究のための中性子顕微鏡の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H04457
体系的課題番号
JP20H04457
配分額
(総額)
17,940,000円
(直接経費)
13,800,000円
(間接経費)
4,140,000円

令和3年度におけるレプリカ法用高精度マンドレルの製作では、令和2年度に、プラズマCVM加工後に残る反応堆積物の除去方法として見出したO2ガスを導入する方法をもとに、引き続き、投入電力、ガス流量等の最適化を図ることによって、加工制御性を更に向上できることを示した。それらの結果をもとに実機の高精度マンドレルの製作を行ったところ、サブミクロンオーダーの高形状精度のWolter形状を加工することに成功した。
また、レプリカ法における新たな離型剤の提案として、マンドレルの表面に付着させる離型剤として低融点金属(スズ)の検討を行った。多層膜スーパーミラーをマンドレルに成膜する際は、離型剤による表面粗さがミラー構造の劣化、反射率の低下に繋がり、高臨界角のスーパーミラーには大きな課題となる。そこで、マンドレルとなるガラス表面にスズを成膜し、その後、ミラー材料であるニッケル膜を成膜、さらにその上からニッケル電鋳を行った。これを加熱処理することで、低融点金属であるスズを融解しミラー自体を離型させた。その結果、スズ成膜後の表面粗さは小さく、高臨界角スーパーミラーの成膜に適することが分かった一方で、加熱によって離型させる際に、ガラス表面からのミラー離型の歩留まりが悪いことが明らかとなった。
偏極中性子を用いた顕微鏡用ビームライン整備として、垂直磁化膜測定のための中性子スピン干渉計のガイド磁場コイルの設計を行った。設計には磁場計算ソフトELF/Magicを用いた磁場シミュレーションを実施した。また、設計したガイド磁場コイル制御用の直流電源、偏極デバイス制御用の自動ステージを購入した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H04457
ID情報
  • 課題番号 : 20H04457
  • 体系的課題番号 : JP20H04457