2009年4月
大学生を対象とした適切な食生活に関する変容段階と栄養摂取状況および心理的要因との関係.
日本健康教育学会誌
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- 巻
- 17
- 号
- 4
- 開始ページ
- 248
- 終了ページ
- 259
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.11260/kenkokyoiku.17.248
- 出版者・発行元
- 日本健康教育学会
目的:トランスセオレティカル・モデル(TTM)は,食行動においては野菜や果物の摂取など特定行動の定着に応用されているが,栄養教育においては食生活全体に関して正しい習慣を身につける必要がある.本研究では,大学生を対象とし適切な食生活に関する変容段階と栄養摂取状況および心理的要因との関係性について明らかにすることを目的とした.<br>方法:大学生675名(男性41.8%)を対象に,適切な食生活に関する変容段階,意思決定のバランス(prosとcons),自己効力感(SE)を調査した.対象者のうち233名には3日間の食事記録目安量法に基づく食事調査を実施した.<br>結果:全体の変容段階分布は,前熟考期11.0%,熟考期33.3%,準備期28.6%,実行期11.3%,維持期15.9%であり男女間で有意差が確認された.ProsおよびSEでは,性別および変容段階で有意差が確認され,女性は男性よりも高値を示した.栄養摂取状況については,ミネラル(カルシウム,鉄)およびビタミン(A,B1,B2,C)の適正摂取者の割合が有意差を示し,いずれの栄養素でも実行期で高値を示した.<br>結論:適切な食生活に関する変容段階が,前期段階(前熟考期,熟考期および準備期)から後期段階(実行期および維持期)に移行するに伴い,栄養素密度の高い食事を摂っている者の割合が増加することを明らかにした.また男女間で変容段階の分布や適正摂取者の割合,またpros,consやSEに違いが見られたことから,栄養教育を行う上でもこれらの特徴を活かすことが望ましい.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11260/kenkokyoiku.17.248
- CiNii Articles ID : 130002140924