共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年 - 2016年

道徳的判断を高める「個に応じた情報モラル学習」教材・指導法の開発・実践

日本学術振興会  科学研究費助成事業 奨励研究
  • 阪東 哲也

課題番号
16H00122
配分額
(総額)
420,000円
(直接経費)
420,000円
(間接経費)
0円

本研究の目的は, 「個に応じた情報モラル学習」の教材及び指導方法を開発し, 実践することである。これまでの研究で, 学習者の個人内特性が情報モラル意識形成に影響することを明らかにした。そこで, 第一の課題として学習者の個人内特性を把握するための図る情報モラル学習のフレームワーク構成, 第二構成としてフレームワークに基づく情報モラル学習に関する授業実践の開発を設定した。
第一の課題に対しては, 近畿圏の公立小学校の6年生106名を対象として, 質問紙調査を行った。共分散構造分析を用い, 小学生における情報モラル意識と個人内特性との関連性を分析したところ, 自他の権利尊重については他者理解力の効果が認められなかったものの, 情報の安全な利用については社会的自己制御, 健康維持については自己効力の効果が認められた。この結果に基づき, 小学生を対象としたスクリーニング尺度を構成した。
第二の課題に対しては, 近畿圏の公立小学校の5年生107名を対象として, 試行授業を実践した。個人内特性が情報モラル意識形成に影響することを考慮した学習モデルのうち, 本実践では援助モデルを取り上げて, その効果を検証した。実践授業前にスクリーニング尺度により, 個人内特性を把握し, 学習グループを編成した。学習活動の流れの概要は1. MextChannelの動画教材の視聴, 2. グループでのロールプレイ, 3. 気づきの共有であった。本実践の事後評価を分析した結果, 異なる個人内特性を組み合わせたグループでは, 新たな視点を獲得できるように話し合い活動に取り組んだこと, 友だちの意見を聞いて, 自分の考えを深められたと実感できたことが本実践の成果であった。
本研究の結果, 情報モラル意識形成には個人内特性の影響が見られること, 焦点化したい情報モラル意識の内容に応じた個人内特性の状況を考慮した話し合い活動を設計することで情報モラル学習の効果が高められることが明らかとなった。