2010年4月 - 2012年3月
新たな高温適応機構の発見につながる好熱性細菌イノシトール代謝の解明
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(B) 一般) 基盤研究(B)
- 課題番号
- 22310130
- 体系的課題番号
- JP22310130
- 配分額
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- (総額)
- 18,850,000円
- (直接経費)
- 14,500,000円
- (間接経費)
- 4,350,000円
- 資金種別
- 競争的資金
Geobacillus kaustophilusHTA426 (以下 GK と省略) はゲノム配列が完全解読された好熱性Bacillus 属細菌である。G K ゲノムにイノシトール代謝遺伝子群を推論し、当該遺伝子群の機能解析を行った。まず、変異原処理によってイノシトールを利用できなくなった変異株 P S8 を作出して解析したところ、gk1897、gk1898、gk1899という 3 遺伝子を含むオペロンの転写誘導が消失していた。これら遺伝子各々を大腸菌にクローン化して酵素活性を確認した結果、それぞれがイノシトール異性体を区別できる立体特異的なイノシトール脱水素酵素であることが判明した。一方、G K の遺伝子操作技術を開発し、gk1897、gk1898、gk1899それぞれのin-frame欠損株を作製した。この結果、gk1897はシロ-イノシトール代謝に、gk1899はミオ-イノシトールおよび D -キロ-イノシトール代謝にそれぞれ必須であると考えられた。それぞれ性質の異なるイノシトール脱水素酵素の 3 遺伝子が一つの転写単位に含まれるため 3 者が同時に発現することによって、イノシトール異性体相互変換が細胞内で生じることをメタボローム解析によって見出した。P S 8 について、イノシトールを唯一の炭素源とする培地での経代培養を繰り返し、サプレッサー変異株を得た。これらサプレッサー変異株 1 0 株においては上述のイノシトール脱水素酵素 3 種を含むオペロンの転写が復活していた。これらのゲノム配列を次世代シーケンサー解析した結果、9 株については全て C r h ホモログの翻訳低下を示唆する変異が共通していることがわかり、すなわち P S 8 における当該オペロンの転写消失は C r h の関わる過剰な転写抑制と何らかの関連がある可能性が示唆された。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 22310130
- 体系的課題番号 : JP22310130