共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

加齢性骨格筋減少症における腸内フローラ機能の役割

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H04125
体系的課題番号
JP20H04125
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
17,810,000円
(直接経費)
13,700,000円
(間接経費)
4,110,000円

超高齢化社会を迎え、健康寿命の延伸が喫緊の課題となっている。腸内フローラは宿主の栄養吸収、免疫、精神活動と密接に関連し、筋肉組織の代謝にも大きく影響する。加齢に伴う筋肉量減少(サルコペニア)は要介護状態へ移行する大きな要因であり、その背景には高齢化に伴う筋肉組織の同化抵抗性(アナボリックレジスタンス)がある。アナボリックレジスタンスの解消は筋タンパク質合成を維持し、サルコペニア予防の鍵となる。本年度はマスターズ陸上の参加者より協力の得られた高齢者21名の腸内フローラの組成解析と便中短鎖脂肪酸定量を行った。その結果、門レベルの腸内フローラ組成に基づくクラスター解析によりA, B, Cの3つのグループに区分された。このグループ化に大きな要因を与える菌群はBacteroidetes, Firmicutes、Actinobacteria、Proteobacteria、EuryarchaeotaおよびVerrucomicrobiaであり、AはEuryarchaeota およびVerrucomicrobia、BではFirmicutes、CではActinobacteriaが他のグループと比較して優位であった。便中短鎖脂肪酸定量では明確なグループ化はできなかったが、コハク酸とiso-吉草酸、n-酪酸が高いグループが検出された。便中短鎖脂肪酸のパターンは腸内フローラ菌組成と相関しておらず、今後、菌組成と強い相関を示す機能モジュールを検索する予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H04125
ID情報
  • 課題番号 : 20H04125
  • 体系的課題番号 : JP20H04125