共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

発達障害者の交流を支援する半自律対話ロボットに関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)
  • 吉川 雄一郎,熊崎博一,松本吉央,上出寛子

課題番号
20H00101
体系的課題番号
JP20H00101
配分額
(総額)
44,850,000円
(直接経費)
34,500,000円
(間接経費)
10,350,000円

研究全体としては,人々と対話し続ける自律型ロボットと、操作者をコミュニティに接続する対話システムを開発、そして、発達障害者のコミュニティの交流支援の実証に取り組む。2021年度では、自律ロボットの基本機能と対話支援機能を持つ遠隔対話システムの開発、発達障害者を支援するためのロボットを用いた対話環境の構築を中心に取り組んだ。
自律型ロボットの基本機能の開発に関して、個人の経験を収集しながら、SNS上で長期間にわたって人と対話し続けるエージェントの開発を引き続き行ない、4名の知り合いを1グループとした百名規模の 2週間に及ぶ実証実験を実施した.また,グループ内の第三者の経験に関する発言内容を話題として人と対話できるアンドロイドを開発し,自律型対話ロボットが交流支援効果を持つ可能性を示す実験室実験を実施した.
対話支援機能を持つ遠隔対話システムに関して、遠隔操作者(主対話者)が操作するロボットの話し相手となるロボットの対話提供機能の開発と,これによる交流支援機能の予備的調査を行った.具体的には,主対話者が話しかけることで,主対話者が計画したシナリオに対応する階層構造の質問生成ができる対話システムを開発し,小学校の理科の授業において主対話者となる教員の授業進行支援効果を持つ可能性を示した.さらに遠隔地の主対話者の心的状態表現を支援する表現機能や主対話者の発言のプレッシャーを低減するための陪席ロボットへの発言分担機能の開発にも取り組んだ.
発達障害者を支援するためのロボットを用いた対話環境の構築に関し,3体の対話型ロボット型アバターを用いて発達障碍者同士が受験者と面接官役を務めるロールプレイ型の就職面接対話練習ができる環境を構築した.また遠隔地に陪席ロボットを伴う遠隔対話システムにおいて,陪席ロボットを伴うことが対話やアイコンタクトに対する不安を緩和する効果を持つ可能性を示した.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H00101
ID情報
  • 課題番号 : 20H00101
  • 体系的課題番号 : JP20H00101