2019年3月
マイクロプラスチックに関する研究の動向
マテリアルライフ学会誌
- 巻
- 31
- 号
- 1
- 開始ページ
- 13
- 終了ページ
- 18
マイクロプラスチックに関する世界における研究動向を概観する.2004年のサイエンス誌に「Lost at Sea: Where Is All the Plastic?」というタイトルの論文が発表されて以来,マイクロプラスチックの存在とその生態系への影響に関する調査・研究が拡大しつつある.マイクロプラスチックの大きさの定義は当初は研究者によってまちまちであったが,アメリカ海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration,NOAA)が2008年に主催したマイクロプラスチック海洋ゴミ関する最初の国際研究ワークショップにおいて直径が5 mmよりも小さい断片として用語「マイクロプラスチック」が定義された. 本稿では,マイクロプラスチック問題の発端と経緯,マイクロプラスチックに関する研究報告の動向,マイクロプラスチックの生成メカニズムについて解説する.