共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

胸膜中皮腫に対する胸腔内局所療法の開発と新規バイオマーカーの探索

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K09311
体系的課題番号
JP19K09311
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

胸膜中皮腫の予後を改善する新しい治療戦略の開発を目指し、①低侵襲かつ局所制御効果の高い胸腔内局所療法の開発と、②中皮腫の中でも難治性症例に対する新規バイオマーカーの開発を目的とした基礎研究を行っている。
①胸腔内局所療法に関しては、これまでに作製したマウス中皮腫胸腔内及び皮下モデル(BALB/c及びC57BL/6Jのマウスにマウス中皮腫細胞株(AB12及びAE17)を移植させたもの)を用いている。抗癌剤(小分子化合物)に関しては徐放効果を目的とし、免疫担当細胞に関しては胸腔内での安定性を高めるために、ゲル(アルギン酸ナトリウム塩化カルシウムゲル、ヒアルロン酸ゲル、ゼラチン)を用いて検討中である。また、胸腔内に注入する免疫担当細胞に関しては、所属リンパ節内リンパ球および腫瘍浸潤リンパ球の効率的な培養法を探っている。さらに、上記モデルを用いた腫瘍根治免疫メカニズムの解明実験に関しては、共通抗原の存在も含めて、異なる数種類の細胞株でも同様に再根治が得られるか検討中である。
②難治性組織型症例に対する新規バイオマーカーの開発に関しては、ヒト中皮腫組織のパラフィン切片を用いたショットガンプロテオミックス法(プロテオーム解析)を行った。難治性の組織型(二相型、肉腫型)と正常中皮細胞及び中皮腫(上皮型)との比較で発現に差のあるタンパク質として、FKBP10 (FK506 Binding Protein 10)、HDLBP (High Density Lipoprotein Binding Protein)、MAP4 (Microtubule Associated Protein 4)、LIMA1(LIM Domain And Actin Binding 1)を選択した。これらのタンパク質に関して、抗体を購入して免疫組織染色を行い、有用性を検討中である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K09311
ID情報
  • 課題番号 : 19K09311
  • 体系的課題番号 : JP19K09311