基本情報

所属
工学院大学 教育推進機構 基礎・教養科(自然) 准教授
学位
博士(理学)(2011年3月 大阪市立大学)

研究者番号
80643791
ORCID iD
 https://orcid.org/0000-0001-5957-2693
J-GLOBAL ID
201601009453914179
Researcher ID
A-9786-2019
researchmap会員ID
B000267871

硫黄を含む金属錯体の合成とボルタンメトリを用いた電極反応解析を武器に研究をしています。一貫した研究テーマとしては「特異な配位構造や次元構造に基づく酸化還元触媒の開発」で、特に硫黄含有配位子をもつ金属錯体に焦点を当てて、研究を進めています。

<含硫アミノ酸配位子をもつ金属錯体の合成と集積体の電気化学触媒機能の解明> 天然アミノ酸の一種である、システインやペニシラミンを配位子とした金属錯体の電極反応解析から、水の酸化および還元触媒反応を見出しています(大阪大学 今野巧先生、吉成信人先生との共同研究)。 白金(II)、パラジウム(II)、ニッケル(II)の10族金属イオンのすべてを分子内に組み込んだ配位ポリマーの合成と構造解析に成功し、その不均一水還元触媒能(水素発生)が、異種金属イオンの種類数に応じて劇的に向上することを明らかにしました(Chem. Commun. 2017, 53, 846.)。また、同じ配位子を用いた、銅(II)、亜鉛(II)、白金(II)を含む配位ポリマーでは、含まれる銅(II)イオンの構造や次元構造が、用いた対イオンの種類に応じて調整でき、かつその不均一水酸化触媒(酸素発生)頻度が、銅(II)の配位構造の空の配位サイトの数に応じて劇的に向上することを明らかにしました(Chem. Commun., 2018, 54, 10766-10769)。最近は、4種の金属イオンを取り込んだ錯体の合成にも成功しております (Chem. Lett., 2025, 54, upaf089)。

<ジチオレン錯体と無機物質の複合化による触媒機能の開拓> ジチオレン錯体は古くから酸化還元活性な錯体として研究がなされており、溶液中ではプロトン還元触媒としても働くことが知られています。我々はこれを酸化グラフェンと混ぜ込むことで不均一水素発生触媒として働くことを見出しました。(工学院大学 橋本英樹先生との共同研究)(Heliyon 2024, 10, e40751; Electrochimica Acta 2024, 479, 143893.)また、金属イオンによってその触媒能が変わることを報告しました (Funct. Mater. Lett. 2025, in press)。

<チアカルバニオンをもつ均一系酸化還元錯体触媒の開発> これまで、チアカルバニオンをもつ配位子を用い、第一遷移金属系列の金属錯体の合成とその電気化学触媒挙動(特に、Fe、Ni)について調査をおこなっています(大阪市立大学大学院理学研究科 木下勇先生 市村彰男先生との共同研究)((Dalton Trans. 2010, 39, 9988; Chem. Commun. 2008, 1314; Chem. Eur. J. 2011, 17, 10708など)。

<研究キーワード> ボルタンメトリー、金属錯体、硫黄、電極触媒、電気化学


主要な論文

  57

MISC

  105

書籍等出版物

  1

講演・口頭発表等

  12

担当経験のある科目(授業)

  7

所属学協会

  5

共同研究・競争的資金等の研究課題

  13

産業財産権

  1