共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

犬の個別化がん特異的免疫療法の実用化に向けた研究開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
19H03132
体系的課題番号
JP19H03132
配分額
(総額)
17,420,000円
(直接経費)
13,400,000円
(間接経費)
4,020,000円

本研究目的である犬のがん免疫療法の臨床研究実施に向け、これまで基礎的研究成果を積み上げてきた。がん免疫療法は、9アミノ酸からなるペプチドを抗原とするワクチン接種で、有効な細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を誘導させる方法である。多くの悪性度の高い癌種で、がん抗原survivinが発現されることから、survivinに標的を絞り、9アミノ酸からなるsurvivinペプチドと抗原提示側のDLA-88型との組合せを明らかにしてきた。1)survivinペプチドの提示可能なDLA-88型の抗原提示ポケット(ABCDEF)のうち、B、CE、Fに各々のペプチドP2、P6、P9が結合することが示唆され、DLA-88型の適合型及び不適合型のポケット領域のアミノ酸配列の違いを明らかにした。今後はこれを基に簡便な適合型検査を確立させる予定である。また、2)犬のがんペプチドワクチンに必要な成分のうち、がん抗原の他にアジュバントが重要であることから、最適なアジュバント成分をみつけるため、マウスがん肺転移モデル(luciferase遺伝子を導入した大腸癌株CT26の静注後の肺転移をIVISイメージング装置でモニタリング可能にした方法)を用い、様々なToll-like Receptor(TLR)を刺激する成分を探索した。その結果、リポ多糖、リポペプチド、Pam3CSK4、flagellin、丸山ワクチン成分アラビノマンナン(SSM)には十分な肺転移の予防効果はなく、一部CpGに効果を見出したが、S化CpGでより強い有効性を見出した。また、CpG配列が重要であり、現在のところ、HSV-1由来のCpG配列の高い有効性を検出している。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H03132
ID情報
  • 課題番号 : 19H03132
  • 体系的課題番号 : JP19H03132