共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年8月 - 2020年3月

PETを用いたアデノシン2A受容体遮断薬によるドパミンD2受容体への影響の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 研究活動スタート支援  研究活動スタート支援

課題番号
19K21217
体系的課題番号
JP19K21217
配分額
(総額)
2,990,000円
(直接経費)
2,300,000円
(間接経費)
690,000円

本研究は健常者を対象とした、短期間の薬物的介入を含むプラセボ対照二重盲検試験である。陽電子断層撮像法(positron emission tomography: PET)を用いて、アデノシン2A受容体(A2AR)の選択的アンタゴニストであるイストラデフィリンが、ヒト生体脳において、線条体ドパミンD2受容体(D2R)結合能を増加させるかどうか評価することを主目的とする。A2ARとD2Rは、いずれもGタンパク質共役型受容体であり、線条体の中型有棘細胞のうち間接路を構成するGABAニューロンに選択的に発現している。また、この二つの受容体はヘテロマーを構成し、アロステリック効果と呼ばれる相互的な機能調節が働いている。この機能調節の機序には詳細不明な部分もあるが、D2Rの細胞膜から細胞内への内在化にA2ARが関与しているとされ、ラットの培養細胞を用いた実験では、選択的A2ARアンタゴニストがD2Rの内在化を抑制することが示されている。つまり、A2ARを遮断することでD2Rがアップレギュレートされる可能性が示唆されているが、ヒト生体脳でその相互的機能調節についての検討はほぼなされていない。
今年度は、想定していなかった問題によって本研究で使用するPETトレーサーの合成手法の確立や他の心理データ収集の方法の決定に多くの時間を費やす必要が生じたが、現時点では問題は解決され、データ収集も始まっている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K21217
ID情報
  • 課題番号 : 19K21217
  • 体系的課題番号 : JP19K21217