2014年4月 - 2018年3月
胎児発育における母体のインスリン抵抗性とリパーゼ活性の役割の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
妊娠はインスリン抵抗性を増悪させる。その結果、トリグリセライドリッチリポ蛋白(TGRL)が増加する。粒子サイズが大きいTGRLは、胎盤を通過できず、母体と胎盤由来のリポ蛋白リパーゼ(LPL)がTGRLを水解し、生じた遊離脂肪酸が胎盤を通過して胎児発育を促進する。妊娠中、母体血LPL濃度は、妊娠初期よりも中期から後期に約28~35%低下した。一方、臍帯血LPL濃度は、84±31 ng/mLと妊娠各期の母体血LPL濃度より1.2倍から2倍高かった。在胎期間で調整した児の出生時体重は、臍帯血LPL濃度と正相関した。胎盤に由来する臍帯血LPLは、脂質異化を介する胎児発育に促進的に働くことが示唆された。
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- 課題番号 : 26461644
- 体系的課題番号 : JP26461644