1998年3月
知的保全管理システムの開発 - 故障検知・故障診断評価システムの開発 -
PNC TN9410 98-023
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- 開始ページ
- 29
- 終了ページ
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 機関テクニカルレポート,技術報告書,プレプリント等
原子力プラントの運転・保守における経済性や安全性の向上を図るべく様々な研究が行われている。我々は既存のプラントにおいて運転員及び保守員が果たしていた役割を代替しうる人工知能を用いた制御システム及び自律ロボットシステムの概念構築を進めている。その要素技術として、保守員の頭脳に代わるシステムである知的保全管理システムの開発を実施している。知的保全管理システムは、保守員が実施している予防保全・事後保全に関する機能、すなわち、プラント内の保全管理に係わる状態の監視、機器の異常検知、保守・補修に係わる保全方策の策定を自律的に行うことが必要である。本報告書では、予防保全における状態監視に注目して、機器の状態監視、異常診断に必要なセンサーの健全性評価システムを開発した。そのシステム構成としては近年大規模プラントにて検討されている人工知能技術の分散協調手法を採用し、エージェント毎に信号の送受信を行う通信機能及び関連機器の特性モデルを分散配置するシステムを開発した。FBRプラントの水・蒸気系を対象にシステムを構築し、試験を行った結果、各エージェント間の協調により、故障の程度をファジーアルゴリズムにより定量的に表すことを可能とした。また、故障診断評価機能のためにエージェント間相互評価によって導かれた推定値は、故障センサーの代替評価とすることができる。