1996年9月
高照射PNC316被覆管の急速加熱破裂挙動評価
PNC TN9410 96-281
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- 開始ページ
- 81
- 終了ページ
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 機関テクニカルレポート,技術報告書,プレプリント等
FBR炉心の冷却能力低下型事象(LOF)下における燃料被覆管の健全性評価のためには、熱過渡時の被覆管の寿命評価が重要である。この任意の温度履歴に対応した燃料被覆管の寿命予測を目的として、評価ニーズに対応した急速加熱破裂(バースト)試験技術の高度化、高速実験炉「常陽」で高照射量域まで高速中性子照射された高速増殖原型炉「もんじゅ」用改良316ステンレス鋼(PNC316)燃料被覆管の急速加熱バースト試験及び本試験結果に基づいた照射済被覆管の寿命予測評価を行った。本試験及び評価で得られた主な結果は以下の通りである。急速加熱バースト試験技術の高度化に取り組んだ結果、被覆管試験片温度計測時の測温精度の向上、外径変化及び高応力条件(周応力294MPa)での破裂温度データの取得を達成した。「常陽」で照射された特殊燃料集合体PFC030M、炉心燃料集合体PFD304を対象 に高照射PNC316燃料被覆管の急速加熱バースト試験を行った。その結果、今回の 供試材で得られた高速中性子照射量(~17.5$\times$1026n/m2、E>0.1MeV)の範囲では、LOF時に想定される応力条件下(周応力~100MPaまで)においては破裂温度は非照射材と同等であり、破裂に際してよい延性を示した。また照射量の増大に伴う破裂温度の低下は見られなかった。ラーソン・ミラー・パラメータ(LMP)とLife Fraction Ruleを適用することにより、熱過渡時の被覆管寿命を評価できる手法を確立した。これを用いて高照射PNC316被覆管の急速加熱時の破裂温度下限値を計算した結果、現状の照射量範囲(~17.5$\times$1026n/m2)においては、「もんじゅ」の被覆管最高温度制限値830$^{\circ}$Cの合理化が可能であることを示した。