共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

ヒト熱放散反応におけるTRPチャネルの役割解明 -熱中症予防法確立を目指して-

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

課題番号
20H04065
体系的課題番号
JP20H04065
配分額
(総額)
17,680,000円
(直接経費)
13,600,000円
(間接経費)
4,080,000円

本年度は、TRPM3に着目して実験を行った。しかし、TRPM3のアゴニストであるプレグネノロンを皮内透析法で皮下投与しても、皮膚血管拡張は起こらなかった。さらに、TRPM3の阻害薬であるオノネチンを皮内透析法で皮下投与しても、局所加温による皮膚血管拡張に影響しないことが明らかとなった。一方で、本年度はTRPV1とTRPM8の活性化が、局所皮膚温度を変化 (15°C → 43.5°C) させた際の皮膚血流量応答と温度感覚に及ぼす影響を、安静時と運動時で検討した。安静時の実験の主な結果は、カプサイシンを塗布した際に30°C、35°C、40°Cおよび43.5°Cにおける皮膚血流量が高値を示したこと、3) カプサイシンを塗布した際に局所皮膚温度の増加に対する皮膚血流量増加の局所皮膚温閾値が低温側にシフトしたこと、いずれの局所皮膚温 (15°C - 43.5 °C) における皮膚血流量もメントール塗布 (TRPM8を活性) の影響を受けなかったことであった。運動時の実験の主な結果は、カプサイシンを塗布した際に30°C、35°Cおよび40°Cにおける皮膚血流量が高値を示したこと、メントールを塗布 (TRPM8を活性) しても、局所皮膚温 (15°C - 43.5 °C) による皮膚血流量応答は変化しなかったことなどであった。さらに、T局所皮膚温を15°C - 43.5°Cに変化させた時の皮膚血管拡張応答に及ぼすカプサイシンの効果は、安静時と運動時で異なる (運動時にその効果が小さくなる)ことが示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H04065
ID情報
  • 課題番号 : 20H04065
  • 体系的課題番号 : JP20H04065