三中 信宏
ミナカ ノブヒロ (Nobuhiro Minaka)
更新日: 07/05
基本情報
- 学位
-
農学博士(1985年3月 東京大学)
- 連絡先
- leeswijzergmail.com
- 研究者番号
- 40354112
- J-GLOBAL ID
- 201601015120507533
- researchmap会員ID
- B000259167
- 外部リンク
主として統計学と体系学の観点から生物データの可視化と解析そしてモデリングに関する研究を進めている.研究テーマとしては,「系統樹概念に関わる数理系統学的研究」「生物多様性の系統学的可視化とインフォグラフィクス」「系統樹推定に関わる計算系統学的研究」「系統樹思考に関わる生物学哲学的研究」「幾何学的形態測定学の理論と応用」を担当している.詳細については下記を参照していただきたい.
・【系統樹概念に関わる数理系統学的研究】生物の系統発生は,祖先子孫関係あるいは姉妹群関係によって順序づけられた系統樹という代数的離散構造として数学的に定式化できる.とくに,系統発生の基本モデルとしてのツリー構造とネットワーク構造,ならびにそれらの間の関係の総体を,半順序関係に基づく公理的体系として構築できた.さらに,系統樹の上で復元される仮想共通祖先の形質状態に関しても,離散数学における一問題とみなすことによりその一般的解決が可能になった.生物がかたちづくる系統発生の背後にある数学的構造とその統計学的性質を明らかにすることを目指している.
・【生物多様性の系統学的可視化とインフォグラフィクス】生物系統学の長い歴史のなかで用いられてきたさまざまなダイアグラム(チェイン・ツリー・ネットワーク・マップ)の図像学て歴史とその汎用性ならびに用途を調べることにより,系統関係の可視化にとってより有効なインフォグラフィクスの理論を構築する.
・【系統樹推定に関わる計算系統学的研究】コンピュータを用いた系統樹の構築は,端点集合(実際に形質情報が得られた生物の集合)のもとである目的関数(最節約基準や最尤基準など)を最大化・最小化するグラフを求めるという離散最適化問題とみなすことができる.この問題は,現代数学の中でも最難度の「NP完全問題」のひとつであり,端点数が増大したときにリーズナブルな計算時間内で最適解に到達することは現時点では不可能である.したがって,発見的探索アルゴリズムを改良することで,現実の系統樹推定にかかる時間を低減させるしかない.ところが,いま用いられているさまざまな系統推定ソフトウェアは端点集合のサイズの上限がたかだか数千までにとどまっており,今後増大し続けるデータの規模に対応できていない.そこで,数万の端点をもつ場合にも対応できるような,巨大系統樹を推定するための新しい系統推定アルゴリズムを現在開発し,現実の微生物などの分子系統解析への適用を試みている.
・【系統樹思考に関わる生物学哲学的研究】生物多様性を理解するためのより所として,ツリーあるいはネットワークを採用することは,生物系統学の根幹に関わる基本モデルの仮定にほかならない.生物系統学はより一般的な歴史分析のひとつの発現であると見なされる.歴史科学がサイエンスとしてどのような位置づけをもつのか,生物の系統発生や進化のような個別事象に関わる仮説のテスト可能性あるいは妥当性をどのように哲学的に基礎づければよいのかという問題は,生物学と科学哲学の接点にある古くて新しい問題群である.観察されたデータのもとでの最適解の優位性をアブダクションという推論様式の観点から擁護しようと現在考察を進めている.
・【幾何学的形態測定学の理論と応用】生物など対象物の形状のもつ幾何学的形状を定量的に解析するための数学的・統計学的な理論の開発とともに,実際の対象物のデータ取得から解析にいたる実践的手法の確立を目指している.
・【系統樹概念に関わる数理系統学的研究】生物の系統発生は,祖先子孫関係あるいは姉妹群関係によって順序づけられた系統樹という代数的離散構造として数学的に定式化できる.とくに,系統発生の基本モデルとしてのツリー構造とネットワーク構造,ならびにそれらの間の関係の総体を,半順序関係に基づく公理的体系として構築できた.さらに,系統樹の上で復元される仮想共通祖先の形質状態に関しても,離散数学における一問題とみなすことによりその一般的解決が可能になった.生物がかたちづくる系統発生の背後にある数学的構造とその統計学的性質を明らかにすることを目指している.
・【生物多様性の系統学的可視化とインフォグラフィクス】生物系統学の長い歴史のなかで用いられてきたさまざまなダイアグラム(チェイン・ツリー・ネットワーク・マップ)の図像学て歴史とその汎用性ならびに用途を調べることにより,系統関係の可視化にとってより有効なインフォグラフィクスの理論を構築する.
・【系統樹推定に関わる計算系統学的研究】コンピュータを用いた系統樹の構築は,端点集合(実際に形質情報が得られた生物の集合)のもとである目的関数(最節約基準や最尤基準など)を最大化・最小化するグラフを求めるという離散最適化問題とみなすことができる.この問題は,現代数学の中でも最難度の「NP完全問題」のひとつであり,端点数が増大したときにリーズナブルな計算時間内で最適解に到達することは現時点では不可能である.したがって,発見的探索アルゴリズムを改良することで,現実の系統樹推定にかかる時間を低減させるしかない.ところが,いま用いられているさまざまな系統推定ソフトウェアは端点集合のサイズの上限がたかだか数千までにとどまっており,今後増大し続けるデータの規模に対応できていない.そこで,数万の端点をもつ場合にも対応できるような,巨大系統樹を推定するための新しい系統推定アルゴリズムを現在開発し,現実の微生物などの分子系統解析への適用を試みている.
・【系統樹思考に関わる生物学哲学的研究】生物多様性を理解するためのより所として,ツリーあるいはネットワークを採用することは,生物系統学の根幹に関わる基本モデルの仮定にほかならない.生物系統学はより一般的な歴史分析のひとつの発現であると見なされる.歴史科学がサイエンスとしてどのような位置づけをもつのか,生物の系統発生や進化のような個別事象に関わる仮説のテスト可能性あるいは妥当性をどのように哲学的に基礎づければよいのかという問題は,生物学と科学哲学の接点にある古くて新しい問題群である.観察されたデータのもとでの最適解の優位性をアブダクションという推論様式の観点から擁護しようと現在考察を進めている.
・【幾何学的形態測定学の理論と応用】生物など対象物の形状のもつ幾何学的形状を定量的に解析するための数学的・統計学的な理論の開発とともに,実際の対象物のデータ取得から解析にいたる実践的手法の確立を目指している.
書籍等出版物
41-
勁草書房 2023年2月 (ISBN: 9784326103195)
-
河出書房新社[河出新書・046] 2022年1月 (ISBN: 9784309631479)
-
河出書房新社 2021年11月20日 (ISBN: 9784309418520)
-
東京大学出版会 2021年6月 (ISBN: 9784130633765)
-
青土社 2020年1月29日 (ISBN: 4791703812)
-
勁草書房 2020年1月28日 (ISBN: 4326750561)
-
大学教育出版 2018年12月25日 (ISBN: 4864299943)
-
勁草書房 2018年10月23日 (ISBN: 4326248491)
-
青土社 2018年9月27日
-
青土社 2018年8月27日 (ISBN: 4791713699)
-
技術評論社 2018年5月18日 (ISBN: 9784774197531)
-
勁草書房 2018年4月24日 (ISBN: 4326154519)
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Let’s Talk about Trees: Tackling Problems in Representing Phylogenetic Relationships among Languages国立民族学博物館 2018年3月 (ISBN: 9784906962617)
-
ビー・エヌ・エヌ新社 2018年2月23日 (ISBN: 4802510705)
-
勁草書房 2017年8月10日 (ISBN: 4326248459)
-
春秋社 2017年4月26日 (ISBN: 4393333551)
-
Cambridge University Press 2016年6月 (ISBN: 9781107117648)
-
青土社 2016年4月27日 (ISBN: 4791713214)
-
青土社 2015年8月27日
-
ビー・エヌ・エヌ新社 2015年 (ISBN: 9784861009563)
論文
41-
計量生物学 44(1) 55-82 2023年10月 査読有り招待有り筆頭著者
-
応用数理(日本応用数理学会和文誌) 32(2) 80-86 2022年6月 査読有り招待有り筆頭著者
-
Biogeography 21 22-26 2019年9月 査読有り
-
Entomological Science 2018年6月 査読有り
-
Biological Journal of the Linnean Society 123(1) 262-264 2018年1月1日 査読有り
-
日本心理学会大会発表論文集 82 SS-022-SS-022 2018年 査読有り
-
BIOLOGICAL JOURNAL OF THE LINNEAN SOCIETY 121(3) 576-591 2017年7月 査読有り
-
SCIENTIFIC REPORTS 5 10835 2015年6月 査読有り
-
Nematology 11(3) 337-342 2009年5月1日 査読有り
-
日本線虫学会誌 38(2) 57-69 2008年 査読有り
-
タクサ : 日本動物分類学会誌 (19) 95-101 2005年8月20日
-
THEORETICAL AND APPLIED GENETICS 110(7) 1203-1209 2005年5月 査読有り
-
生物学史研究 (67) 83-87 2001年4月
-
JOURNAL OF PHYCOLOGY 37(1) 121-129 2001年2月 査読有り
-
Biogeography : international journal of biogeography, phylogeny, taxonomy, ecology, biodiversity, evolution, and conservation biology 2 103-111 2000年8月28日 査読有り
-
Journal of general plant pathology : JGPP 66(3) 191-201 2000年8月25日 査読有り
-
認知科学 = Cognitive studies : bulletin of the Japanese Cognitive Science Society 7(1) 1-2 2000年3月1日 査読有り
-
やどりが 2000(187) 25-33 2000年 査読有り
-
Zoological science 16(6) 993-1000 1999年12月15日 査読有り
講演・口頭発表等
17-
日本水処理生物学会誌. 別巻 = Journal Japan Biological Society of Water and Waste 2004年10月15日
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日本生物地理学会年次大会講演要旨集 = Advance abstracts for the ... annual meeting of the Biogeographical Society of Japan 2000年4月2日
-
日本生物地理学会年次大会講演要旨集 = Advance abstracts for the ... annual meeting of the Biogeographical Society of Japan 1999年4月2日
-
日本分子生物学会年会プログラム・講演要旨集 1998年12月1日
-
日本生物地理学会年次大会講演要旨集 = Advance abstracts for the ... annual meeting of the Biogeographical Society of Japan 1998年4月3日
-
日本植物学会大会研究発表記録 = Proceedings of the annual meeting of the Botanical Society of Japan 1997年9月
-
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) 1997年5月15日
-
日本植物病理學會報 1996年6月25日
-
日本生物地理学会年次大会講演要旨集 = Advance abstracts for the ... annual meeting of the Biogeographical Society of Japan 1996年4月4日
-
日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 1995年8月25日
-
日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 1994年3月28日
-
日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 1993年4月3日
-
全国大会講演論文集 1993年3月1日
-
日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 1992年9月10日
-
日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 1991年9月15日
-
化石 1986年11月20日
-
日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 1986年6月19日
MISC
96-
環境技術(環境技術学会和文誌) 50(2) 49-53 2021年3月 査読有り招待有り筆頭著者
-
Senri Ethnological Studies = Senri Ethnological Studies 98(98) 9-24 2018年3月16日 査読有り
-
計量生物学 38(2) 117-125 2018年 査読有り
-
學鐙 114(4) 22-25 2017年
-
現代思想 44(10) 178-187 2016年5月
-
心理学評論 59(1) 123-128 2016年 査読有り
-
現代思想 43(13) 176-185 2015年9月
-
科学 83(8) 906-909 2013年8月
-
別冊日経サイエンス (185) 30-36 2012年6月
-
哺乳類科学 51(1) 206-211 2011年6月30日 査読有り
-
現代の図書館 48(4) 262-269 2010年12月
-
本 35(9) 10-12 2010年9月
-
Biostory 13 21-27 2010年6月
-
生物科学 60(4) 194-196 2009年5月
-
日経サイエンス 39(4) 82-87 2009年4月
-
植物防疫 63(3) 192-196 2009年3月
-
日本数理生物学会ニュースレター 57 6-13 2009年
担当経験のある科目(授業)
17-
2020年 - 現在
-
2007年 - 現在
-
2021年 - 2022年
-
2020年 - 2021年
-
2011年 - 2021年
-
2003年 - 2019年
-
2001年 - 2019年
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1990年 - 2018年
-
2008年 - 2017年
-
2008年4月 - 2015年7月
-
2007年 - 2011年
-
1990年 - 2007年
経歴
10-
2024年4月 - 現在
-
2018年4月 - 現在
-
2021年4月 - 2023年3月
-
2018年4月 - 2021年3月
-
2016年4月 - 2018年3月
-
2007年4月 - 2018年3月
-
2006年4月 - 2018年3月
-
2015年4月 - 2016年3月
-
2004年10月 - 2015年3月
-
1989年10月 - 2004年9月
受賞
3-
2021年5月
-
2003年8月
-
1993年4月
共同研究・競争的資金等の研究課題
4-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 2024年4月 - 2027年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B) 2002年 - 2004年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B) 2001年 - 2003年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A) 1996年 - 1998年