2009年
General Theory of Crimeにおけるセルフコントロールの尺度化:ボンド理論との整合性は確保できるか
犯罪社会学研究
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- 巻
- 34
- 号
- 0
- 開始ページ
- 116
- 終了ページ
- 133
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.20621/jjscrim.34.0_116
- 出版者・発行元
- 日本犯罪社会学会
ゴットフレッドソンとハーシによる『犯罪に関する一般理論(GTC)』(Gottfredson and Hirschi 1990)に関して現在行われている議論の一つが,その鍵概念であるセルフコントロールの測定方法である.セルフコントロール尺度として最も広く用いられ,支持を得ている尺度はグラスミックらの尺度である(Grasmick et al.1993).しかし,この尺度は次の二つの理論的問題を抱えている.一つは逸脱への動機を含むという点,もう一つは先行するボンド理論との整合性がないという点である.近年,GTC提唱者の一人であるハーシが,これらの問題を乗り越えた,新しい尺度を提唱した.本研究は,負の二項回帰分析を用いて,逸脱行動を基準とする,これら二つの異なる尺度の併存的妥当性を比較検討する.その結果,逸脱行為に対する併存的妥当性という点で,グラスミックらの尺度は高い妥当性を持ち,一方のハーシの考案した尺度は妥当性にやや欠ける結果となった.さらに,考察において,GTCの理論的枠組みに忠実にしたがって,二つの尺度を位置づけたモデルの実証的な検討を試みた.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.20621/jjscrim.34.0_116
- ISSN : 0386-460X
- CiNii Articles ID : 110007467552
- CiNii Books ID : AN00206207
- identifiers.cinii_nr_id : 9000006571472