研究ブログ

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LIPER2報告書の電子版公開

こんにちは。
忙しいときほどブログを書きたくなるのは何なんでしょうか。
たぶん逃避行動なんだと思うのですが。

さて,研究室のWebにさりげなくLIPER3(図書館情報学教育を高度化するための研究基盤形成)へのリンクが張られるようになりました。(人ごとのように言ってますが,中の人だったりします…)LIPER3本体は今年度から開始なので,内容はまだ整備中です。たぶん,研究会の記録とかが掲載されていく予定です。

なお,LIPER3のサイトには2006年度から2009年度まで実施されていたLIPER2(情報専門職養成をめざした図書館情報学教育の再編成)の報告書が掲載されています。

この報告書の目玉は報告書本体だけでなく,研究成果(論文誌の抜き刷りを含む)も一緒に掲載されている点です。単体で個々の論文を取り寄せる手間がなくなる(笑)のでお勧めです。

個人的には安藤先生の論文は,学校図書館の今後を考える上では結構重要だなと思ってます。インタビューログも詳細に載っていますし。図書館情報学教育の方面に関わる人たちは是非チェックしてみてください。

でわでわ。
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2010年度図書館情報学検定試験について

1週間に2ポスト目。久々な感じです。


さて,すでに日本図書館情報学会のWebサイトからリンクが張られているので,ご覧になった方がいらっしゃるかもしれませんが,2010年図書館情報学検定試験(準備試験)の詳細がオープンになりました。



図書館情報学検定試験

(各種研究会ではすでに印刷物でお知らせしていたのですが,Webに公開されたので,Blogとかでおおっぴらに宣伝ができます…)

以下,引用します。

2010年度試験(準備試験)は、次の日時、場所で実施される予定です。 
日時:2010年11月28日(日)13:15から15:15(試験時間は90分です)

会場(予定):
★東京会場:機械振興会館
(東京メトロ日比谷線「神谷町」駅下車、都営地下鉄三田線「御成門」駅下車、徒歩8分)

★大阪会場:関西大学天六キャンパス
(阪急電鉄、地下鉄堺筋線・谷町線「天神橋筋六丁目」駅下車、北へ徒歩5分)

★つくば会場:筑波大学春日キャンパス
(つくばエクスプレス「つくば」駅下車、徒歩10分)


この試験は,学生さんだけでなく,現職の方でも,図書館現場で働いていない方でも誰でも受験できる公開試験として実施されます。また,本格的に運営していくためのテストとして,今回初めて有料(2000円)で試験を行います。分野ごとの得点傾向が示されたレーダーチャートが発行される予定です。

申し込み方法は,個々人で申し込んで頂く他,各大学での一括申し込みが予定されています。こちらは準備中ですので,整い次第またお知らせいたします。

ご興味のある方は是非是非。試験が行われるようになった経緯等は,下記のUstreamの研究会などを参照して頂ければ幸いです。

研究会「本格実施!図書館情報学検定試験」

それではっ。


追伸:
なお,公式Webのヘッダに謎の文字列があったり今までの記録のブログへのリンクが隠しリンクになっているように見えるかもしれませんが,たぶん気のせいです(汗)。時間がたつと直る予定です…。
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肩書きが変わりました。

お久しぶりです。

実は2010年6月30日をもって大学院を退学いたしました。
えぇー!研究やめちゃったの??
という方、ご安心ください。

2010年7月1日をもって同研究室の特任研究員に就任いたしました。
何と所属は変わりません(汗)。
引き続き研究を進めていく所存ですのでよろしくお願いします。

ただし、博士論文の提出資格(課程博士)はあと3年という
期限が決まりましたので、これでさあ逃げられないぞという感じになりました。

いよいよ追い詰められてきていますね(棒)。

でも人のお金で研究させてもらえるので、より一層気を引き締めて
1ページずつ作業を進めていきたいと思います。
これからもよろしくお願いいたします。
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「本格実施!図書館情報学検定試験」でUST中継してきた。

お久しぶりです(定期ポスト)。

早速ですが,5月29日に行われた
2010年図書館情報学会春期研究集会の後で行われてきた
図書館情報学検定試験の研究会
「本格実施!図書館情報学検定試験」に参加してきました。

ただ参加するだけでは面白くないので,
許可をいただいてUstreamで中継を試みました。
よって,内容はこちらを見て頂くとして,
(リンク先に映像がアーカイブしてあります)
こちらでは,恒例の中継顛末を記載したいと思います。

【機材】
以前<a href="http://librarius.main.jp/blog/index.php?ID=172">学芸大学でUSTをやったとき&lt;/a>とほとんど同じセットですが,モバイル回線の端末がちょいと変わりました。

・Aspire One AOA150-Bw(初代,メモリ1.5GB増設済)
・Logicool® 2-MP Portable Webcam C905m
・DIS mobile WiMAX MW-U2510/DM
・PocketWiFi SoftBank  C01HW(実質e-mobile)
・Canon FV M300(DVカメラ)
・DVカメラ用の三脚
・USB延長ケーブル3m(Webカメラのケーブル延長用)
・電源タップ
・Mac mini(Late 2009,自宅から再放送用のファイルを転送するのに使用)

【設置】
会場が当日まで電波状況も教室レイアウトもわからない状態だったので,
回線は2回線用意するも,基本的にはe-mobileがエリアマップで良い感じだったので,今回WiMAXは使わずじまい。
電波状況だけでも確認してくれば良かったなと
後で後悔しましたが…

実際の会場に行ったところ,普通の横机が並んでいる教室。
一番前に三脚を置いて,下のUST映像のアングルが取れることを確認。
昼休みの間に三脚だけをセット,教卓の所のコンセントからテーブルタップを
つなげて電源も確保しておきました。

【アングル】
一応,参加者には中継を行うことは伝達していますが,
肖像権の問題が発生する可能性があったので,
カメラは教卓に向けて固定となりました。ただ,
スライドのレイアウトに合わせて,ちょっとカメラアングルを
動かしています。

【中継準備】
一応,会場には数十分前に入りをし,各種の機材セット。
Pocket Wifiは窓際で3本のアンテナ状況を確保できたので,
Aspire Oneー(無線LAN)ーPocket Wifiー(e-mobile)ーUstream.tv
という経路に決定しました。
学芸大学の時の経験から,Flash Media EncorderやUstream Producerだと
Aspire Oneが処理落ちする恐れがあったので,
Web上のコンソールから配信することにしました。

一応開始20分前には放送開始。ただし,最初打ち合わせの音声まで配信されてたので,
途中から音声配信をオフにして本番に備えました。

【中継本番】
会場はスクリーンを移すために,前の方は暗かったのですが,
Webカメラの状況を見る限りでは,割と明るく撮れていたようです。
ただし,発表者によって音声の大きさがかなり違ったので,
音声レベルメーターを,状況に応じて上げ下げする作業が
必要でした。
(標準は0.7ぐらいで大きいときは0.6,
小さいときは0.85ぐらい。一度だけ1.0にセットしましたが
その後のバランスがとりづらかった…)
特に質疑応答の時はカメラから遠い位置で声が発せられているので,かなり気を遣うことになりました。

【回線切断】
今回の中継で痛かったのは,1度だけ回線が質疑応答の際に
切断されてしまったことです。
色々状況を調べたのですが,どうやらPocket Wifiやe-mobile側の問題ではなく,
Aspire Oneの方の無線ドライバの問題だったようです。
結局,中断された分も含めて完全版を作ることになりましたorz

【反応】
Twitterのハッシュタグでは,7個のコメント。後イマイが
見た限りではさらに7個ぐらい,コメントをいただいていたようです。感謝。

【総括】
今回に関しては,Pocket Wifiに機器を変えたこともあって,
回線速度についてはほとんど問題がなかったようです。
スライドの文字が読み取れるように,画質0.9,音質22khz,
フレームレート15で配信しましたが,ひどい駒落ちとかも
なかった模様です。
とりあえず,今回の経験でほぼノウハウは確立した感じです。
学校図書館系のイベントでUSTお考えの方は是非ご連絡を。
伺えなくてもノウハウ共有とかはできるかもしれません。

研究会のログはそのうち公式に載るはずです−。

いよいよ試験日程が11月28日の午後に決まり,会場も東京,関西,つくばの3箇所で実施されます。今後の展開が楽しみです。
今後ともイマイは図書館情報学検定試験を勝手に応援していきます。
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図書館情報学検定試験の研究会に行ってきた。

さて,昨日は日本図書館情報学会の「あなたも図書館情報学検定試験をやってみませんか」に突撃してきました。
日本図書館協会は通算2回目なのですが,今回は迷わずに到着できました。
せっかくですので,研究会の様子をレポートしてみたいと思います。

(注意: 以下の記録はあくまでも今井の印象や感想に基づいた物であり,公式の記録でありません。公式の記録については,http://wwwsoc.nii.ac.jp/jslis/kentei/へ掲載されますので,公開され次第そちらを参照されることを強く推奨いたします。ただ,公式記録を取っていたのが今井なので少々マッチポンプ気味ではありますが(汗))


また,Twitter上で@yegusaさんが実況された様子を@tsaka1さんがまとめてくださっています。研究会「あなたも図書館情報学検定試験をやってみませんか」 (#liskentei)全体の内容を簡単につかみたい方はそちらもどうぞ。

さて,今井の関心に引っかかったところを中心にレポートします。

まず,開会挨拶が千葉大学の竹内先生からありました。「これまではいわゆる図書館情報学教育に関わっている大学の学生さんに受験してもらって,妥当制を検 証していた。学会として検定試験の事業をこれから継続的に行うかは決まっていないが,広く知っていただいて受験をしていただきたいと思っている」とのこと でした。

次に,東京大学の根本先生から,報告が行われました。(報告のタイトルは「図書館情報学検定試験を実施して」)報告の中身は,試験が実施されることになっ た経緯,日米の専門職制度の比較,LIPER報告書におけるカリキュラム案,試験を行う背景について,試験の内容,そして昨年度の試験の傾向と様々な内容 について説明がありました。

個人的には,日本においては「カリキュラムの基準については,単位の出し方は学校,教員にゆだねられており,科目に相当する単位を集めるだけになってい る。課程評価をしているわけではないので,実際にどのような知識を身につけたかについては,かなり曖昧なところがある。だから評価という点では大きな格差 がある」という点を唸りながら聴いていました。

非常勤を教えていると痛感するのですが,どの程度の知識を伝えればよいか,そして伝えるべき知識がきちんと伝わっているかは毎回悩むところです。もちろん 大学の講義なので,単位認定をするのですが,先生によってまた学校によって教えられる知識や扱う内容が変わってくるのは避けられない状況です。根本先生は その点を「試験を行う背景」について説明される箇所で再度取り上げられていて,「社会的な信用を得るためには評価が必要」,「試験を経ないとメリトクラ シーが機能しない」という点を指摘し,試験を行うことになったと仰っていました。

ただ,留意しておきたいのは,今回の検定試験は試験を行う事が先にあるのではなく,あくまでも図書館情報学を大学院教育で行うために,その基礎レベルを整 えたりコンセンサスを取る手段の1つだと言うことです。確かに,試験に対応するためという外部要因がなければ,内容を見直すことは難しいのだろうなと思い ます。

あと,これまでの研究会ではあまり表に出なかった話題として,文部科学省の新省令科目についての話が盛んに出ていました。平成22年4月1日から新省令科 目が実施されて,司書科目は単位数が増えます。それ以外にも図書館情報技術論という新しい科目が設定され,従来は選択科目の一部でしか取り扱わなかった情 報技術についての科目が導入されてきます。今回の科目改訂によって,情報技術についての科目が2単位必修となります。従来文学部系の学部では,こうした科 目が取れないところもあったので,検定試験では特にこの分野でできる人とできない人の差が付いていたのですが,今後はこうした科目で対応していけるのでは という説明がありました。私としては,うっかりするとPCの使い方とかGoogleの使い方でお茶を濁すんじゃないかと危惧しているのですが,検定試験の 流れをくんでこういった科目できちんと,図書館情報学分野の情報技術論が扱われることを願っています(そうしたら教える口が増えるかもしれないし…ヾ(゚ Д゚ )ォィォィ)。

根本先生の説明の後,会場では2009年の試験から選ばれた8題について模擬試験が行われました。静寂な雰囲気は本番の試験会場のようでした…。

模擬試験の後は学会の委員会で担当されている先生方から問題の解説が行われました。クールソの情報プロセスモデルとか,日本語の読み取り能力があれば解答 できる問題でしたが,確かに今の授業だとどこで教えたらよいか悩むかも。うーん。
その後は質疑応答。

印象に残った質疑応答をピックアップすると,やはり今回の試験の内容と司書課程で教えている内容が離れているという指摘でしょうか。(文脈としては司書課 程では情報系の内容が時間的に伝えきれないという文脈です。)おそらくは,私個人としては,LIPER報告自体がもっと高いレベルを目指して,統一化をは かろうとしていたはずなので,この辺りは多少ズレがあっても仕方ないかなと言う気がします。まあ,新省令科目でこの辺は対応を図るはずなので,その辺に期 待をこめつつ。ただ,試験問題としては知識がなければお手上げではなく,司書課程の内容が踏まえられていれば,選択肢が絞り込めるなど様々な工夫をされて いるようです。(そのために問題が作りにくいと根本先生もはっきりおっしゃっていましたし(汗)あと,面白い話があったのですが,この辺はまとめとか公式 記録を参考にして頂ければ幸いです。

ここまで結構勝手に検定試験を追っかけているのですが,個人的には一般のイメージと実際が離れているなと感じているのが,この試験自体が館種の専門性まで を対象にしている,もしくは公共図書館対象の試験でないということです。全ての図書館員に共通して必要だと思われる知識をコア領域で扱って,館種の知識は その先の大学院レベルで扱うということになっています。だから,今回の公開試験は公共図書館や大学図書館の人だけでなくて,学校図書館の人も受けられる し,むしろ受けるべきだと思っています。例え点数的には十分でなくても,今公共図書館や大学図書館で動いている人たちの知識のベースがどこにあるかが分か れば,それだけで相互理解につながると思いますので。

試験は以前発表したとおり,11月28日(日)に全国3会場(関東,関西,筑波)で実施されます。申し込みや実施の詳細は6月上旬に検定試験公式サイトで公開されますので,そちらを参考にしてください。中の人の許可をもらった範囲でお話ししておくと,午後に開かれる予定らしいです。

次回は,5月29日(土)の日本図書館情報学会春期研究集会後の研究会に突撃します。学会の方はぜひお越しください。あと,詳細はまだ未定です が,Ustreamでの同時中継or録画中継(回線状態による)にトライできるかも。時間としては学会が終わるのが18時なので,そのあたりに Twitter上にある今井のUSTアカウントlibrarius_ustをチェックしてください。事前のお知らせが必要な方はフォローして頂ければ幸いです。
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日本図書館情報学会誌の投稿規定改定ポイント

ちょっと時間があったので,3月1日に改訂された日本図書館情報学会誌の投稿規定を,いまさら新旧比較をして,改訂のポイントをまとめてみました。
参照:日本図書館情報学会(画面の中段下に投稿規定の新しいバージョンがアップロードされています)

・論文原稿の余白,文字サイズ,プロポーショナルフォントの使用禁止が追加された。

以前より,元から投稿に際しての原稿チェック リストには定義されていましたが,規定として盛り込まれています。

→「左右の余白は55 ㎜〜60 ㎜程度,文字サイズは10.5〜11 ポイントに指定し,MS P明朝やMS Pゴシックなどプロポーショナルフォントは使用しない。」

・原稿の編集委員会への送付方法の変更

以前は,印刷体で3部編集委員会に郵送する必要がありましたが,新規定では電子ファイルの送付で投稿を行う ことになっています。また,図表の挿入位置を朱色で指定する点も追加されています(朱色での指定は以前の原稿チェックリストからあった箇所ですが)。 LaTeX使いには工夫のいるところですが,私は朱文字のルビを振る形で文字数が増えない工夫をしています。PDFファイルでの提出がOKというのが本当にありがたいです。

→「原稿は,別紙,本文,図表の順番で結合したPDFファイルもしくはWordファイルとして,編集委員会が定めた送 付先に電子メールの添付ファイルで送付する。なお,図表については,本文中に朱色で挿入箇所を指示する。」

・最終原稿の扱い

最初から電子ファイルでやりとりするようになったためか,最終原稿の扱いについての規定が簡素な規定になっていま す。

→「掲載決定の通知後,最終原稿を収録したデータを,編集委員会の指示した媒体・形式で提出する。」

以上が私が見た 限りでの改訂のポイントです。
基本は,ファイルの書式が定まったこと,投稿時から電子ファイルでやりとりするところを押さえておけばOKだと思い ます。
何か見落としている点がありましたら,ご指摘いただければ幸いです。
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「足立正治氏とともに考える学校図書館の過去・現在・未来」

【公式Blogからの転載です】
地図は現地ではない。(アルフレッド・コージブスキー)

22時45分を回った部屋。モニタの前で腕組みしながら悩んでいる。今日のイベントレポはなしで良いんじゃないかと。ついったーで一言,イベント行ってきた,楽しかったーで済ませられるならそれで良いんじゃないかと。

それはなぜ?今日は2000年代の学校図書館に強烈なインパクトを与えた,足立正治先生の舞台裏とか稽古場の映像を見せてもらうようなイベントで,その舞台を見たことのない人にとっては,何一つ面白くないかもしれないから。

先生はだれ?主観的に答えるなら,学校図書館についてみんなでワイワイ盛り上がりながらも,どこか客観的な視線でーいうなれば演出家のような目でーその場を見ていて,みんなが見落としている大切なことをピンポイントで指摘してくれる人。あと,一見つながらないような人たちを見事に結びつけて,化学反応を起こして楽しませてくれるマジシャンのような人。

だからだれ?客観的に答えるなら,"The Information-Powered School"の翻訳プロジェクトの監修者,カレントアウェアネスの記事番号1671で探究学習と学校図書館の関係を論じている人。甲南高等学校・中学校 で学校図書館に長く携わってきた人。それでも?なら,学校図書館のメーリングリストsl-shockの立ち上げ人,かつプロトタイプである学校図書館メー リングリスト(SLML)を作ってくれたすごい人。学校図書館ジャムセッションっていうとっても魅力的なイベントを毎回立ち上げてくださる人。

まあ,それでも分からない人にとっては,普通の学校の先生が自分史を語るイベントにしか見えないかもしれない。でも,今日もらってきた参加者名簿を見ると,2000年代以降の学校図書館で一定の発言力を持っている人たちの名前がずらりと並んでいる。うまくは言えないけれど,それくらいのインパクトがあっ た人だって事はつかんで欲しい。


上で書いたような経緯があるので,今回については単純に「かたつむる」ことはかえって誤解を招きそうなので,やめておきます。自分の解釈や編集を加えた上で語ることをどうぞお許し下さい。

今回のイベントはこの3月で,足立先生が甲南高等学校・中学校を退職されることに伴って行われたイベントです。イベントの流れや資料は,足立先生がご自分のWebに上げてくださっているので,こちらを参照して読んで頂ければ幸いです。
足立正治と考える学校図書館

呼びかけ人の中村百合子先生が「足立先生が何故学校図書館に興味を持つようになったのか,そして何がバックグラウンドなのか,自分史を語ってもらう中でそ の理由に探っていきたかった」と最後に述べたように,また先ほど書いたように,舞台,種明かしをしてもらうような不思議な感じがイベント全体に漂っていま した。

当日のイベントの様子を断片的に示していくと,午前中は学校図書館に関わるまでの経緯が,午後の前半は阪神大震災以後,学校図書館に関わるようになってからのヒストリーが写真を交えながら語られていきました。

足立先生のバックグラウンド,学校図書館に興味を持つようになったかを私なりにまとめると,英語教育を模索する中で行き当たった一般意味論,クリティカルシンキングといった考え方がバックグラウンドにあって,そうした考えを実践で生かしていくためには,学校図書館という場所,司書教諭・学校司書という仲間が必要だったという感じでしょうか。それすらも足立先生がバックグラウンドとして いる一般意味論からすれば,「地図は現地ではない」という言葉がちらつくため,断定することを避けたくなりますが。

午後の後半は,足立先生の親友であり師でもある京都精華大学の名誉教授,片桐ユズル先生のワークショップ。一般意味論とは何かということを分かりやすく,かつ非常に刺激的な作業を取り混ぜながら説明していただきました。帰ってきてから興味が湧いたので,冒頭の言葉をググってWikipediaをにらめっこしたのですが,うん Wikipediaだけじゃわからなかったな(笑)と変な感動を今感じました。まあ,それだけ分かりやすかったと言うことで。これも,足立先生のWebに とても分かりやすい資料が掲載されているので,興味がある方は必見です。作業の一部を説明しておくと,湖あるいは河を描いているような,ある水墨画風の絵 と,銅版印刷の絵が対比されている資料が配られて,それぞれどこの絵かを当てるという作業が行われました。答えを先取りしておくと,どちらもイギリスの湖 水地方がモチーフでした。ところが,水墨画風の絵は中国人の観点から水辺のホルスタインが奇妙に描かれていて,もう片方の銅版画はイギリスには存在しない はずのスイスの切り立った山々が追加されていて,どちらも微妙に嘘が混じっている,言葉じゃ説明しづらいのですが,そんな体験を観客はすることとなったの です。

自分のメモから転載しておくと,
一般意味論のキーになるのは
1)地図は現地ではない。
2)地図は現地のすべてをあらわさない
3)地図についての地図を作ることができる
というわずか3つのフレーズだそうです。特に,地図が現地ではないという事が分かっているなら,固執することなく状況に応じて考えを再構築するークリティカルシンキングの考え方に繋げていけるという所が強く印象に残っています。今考えてみると,Information Powerとかを字面以上に理解するためにはこうした背景が必要なんでしょうね。

気がつくと,あっという間に一日は終わり,参加者からの足立先生へのフリーコメントが交わされていました。多くの人が集い,広場で会話するようにして,先生へのお礼の言葉が綴られていきました。さて,冒頭の中村先生の意図はうまく達成されたのでしょうか?これは私自身の主観として,「地図は現地ではない」ことを断りな がら,あるフリーコメントを引用したいと思います。「足立先生がなぜ学校図書館に興味を寄せてくれるのかについて,それが批判とかクリティカルシンキング の流れからだったんだと言うことが今日分かった気がしました。」
おそらくはうまくいったのだと私は考えています。
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UST中継顛末@3/10東京学芸大学学校図書館活用データベース

【自分の公式Blogからの転載です】
3月13日は,東京学芸大学の学校図書館活用データベース完成報告会で動画中継スタッフをやっていました。色々Web上のノウハウページにお世話になっていたので,私もノウハウ公開をして何らかのお役に立ちたいと思います。(超長文なので,後で分割するかも)
【機材】
・AspireOne AOA150-Bw(いわゆる初代)
・Logicool®2-MPPortableWebcamC905m
・WiMAXUD01NA(TryWiMAXでレンタル)
・E-mobile(D02HW)
・IODATAGV-USB(買ったけど使わず)
・CanonFVM300(DVカメラ)
・DVカメラ用の三脚
・USB延長ケーブル3m
・電源タップ
・Macmini(Late2009,自宅から再放送用のファイルを転送するのに使用)

【事の始まり】
2月13日(土),東京学芸大学の中の人からTwiter上に告知。
「学校図書館活用データベース完成報告会を3月10にやるから来てね」
テンションが上がっていたことも手伝い,次のコメントをしたためる。

「たぶんその日はヒマしていると思うので是非参加しまーす。
どうせなら映像記録撮って中継(UstreamとかYoutube)とかしませんか?」

まあ普通ならスルーされるところですが,すぐに「周りに聞いてみまーす」と
メッセージ。ノリが良すぎる(笑)。こういうの大好き。

すぐに打ち合わせして,許可が取れるか大学の協力が得られるかを打診してもらえることに。考えてみれば,このプロセスを自分がやったら大変だったと思う。Nさんに深く感謝。打ち合わせの結果が出るまで2週間ほど待機。

【機材準備】
2週間後。先方から許可到着。よしこれでUSTデビューができると考え,本業そっちのけで色々ネット上を徘徊して,必要な機材をリストアップ。iPhoneを用意すれば良いかなと考えたが,
それまで見てきた中継の様子を見ると,iPhoneは回線や電池が気になりそうだと考えた。何より契約するお金もないし(汗)。

メインとなるマシンはネットブックに決定。Web上でネットブックで行けるよーというメッセージがあったことも大きい。

映像機材はとりあえず自宅所有のDVカメラを使用して,録画しながら映像をRCAコンポジット→GV-USBでネットブックに取り込むことを考えていた。本番2週間前にこのプランは,DVカメラが録画と同時に外部出力ができないことが分かったので,没。急遽LogicoolのWebカメラを購入。

回線については,大学の回線が使えない可能性(結局ダメだった)を考え,モバイル回線を確保することに。とりあえず,思いついたのがWiMAXとE-mobile。
無料で借りられると言うことなので,WiMAXをレンタル。
1週間前に中継が公式認定されたので,保険のため,E-mobileをPHSLINKさんから急遽レンタル。

あと,万が一回線が全部つながらなかったときのため,Twitter上では運が良ければ生中継,ダメなら録画配信という保険をかけつつ,DVカメラ+三脚で録画映像を別に取ることにした。

それから,映像中継には直接関わらないけど,@lomolibさんが
Twitterテキスト実況に名乗りを上げてくれた。これで映像がポシャっても大丈夫だ(違)。当日の様子はこの辺りに示してあるので興味在る方はどうぞ。

「学校図書館活用データベース」の実況と反応。
Part1: http://ow.ly/1gwJ9
Part2: http://ow.ly/1gwJa
Part3: http://ow.ly/1gwJb

@lomolibさんの中継用には,自分のWillcom回線を提供。回線速度は遅く苦労されたようですが,ナイス実況でした。まとめの時間にならないはずの端末が着信したのはご愛敬。

【配信許可書】
中のNさんから問い合わせで,登壇者への中継の承諾をどうしたらよいか相談が来る。後から考えると真っ先にやっておかないと行けない手続きだったが,急遽書類をでっち上げ,Nさんに託す。当日皆さんのサインをもって中継卓に来てくださった。大感謝。

【リハーサル】
当日まで会場には行けないので,研究室で何回かリハーサル。
ソフトウェア環境はAdobeFlashMediaLiveEncorder(FME)+Ustreamを介しての中継。

参考にしたのはこの辺↓
http://www.nya-buro.net/archives/89
http://gihyo.jp/lifestyle/serial/01/streaming/0003?page=1

とくに技術評論社のページは初心者なら印刷して枕の下に敷くレベル。関係ないと思ったところでも読んでおくと吉。この辺の説明は長くなるので,必要であればコメント,メールを。

大学の回線でも,WiMAXでもe-mobileでも繋げることが分かったし,高画質で上映できることが分かった。ただし,e-mobileが窓から離れると圏外になりかけたので,USB延長ケーブル3mを購入して,いざというときに端末だけ延長することを想定。

【本番】
2時間前に東京学芸大学の南講義棟に到着。電波テストをしたらWiMAXが圏外,e-mobileが3本。(2010年3月10日現在,時間がたてば改善する可能性あり)かけておいた保険が無事機能した形。1時間前に会場入り。窓際の席を早々に確保して,セットアップ開始。Webカメラのケーブル長が短く,取り付ける脚まで届かない。回線用のUSBケーブルをWebカメラに接続してセッティング。用意しておかなければ危なかった。

また微妙にe-mobileの電波状況が安定せず,FMEが何度もタイムアウトした。本番15分前のアナウンスをTwitter上でしたときには,回線が実は切れた直後。本番10分前に再接続できたので,急いで設定開始。レートは映像が200k,音声は64kだったはず。

とにかくネットブックに触るのは最小限にして(本体タイプ音や振動は中継の音に影響するので。だから中継卓の机には荷物を置いて誰も座らないようにしてもらった。)

中継開始40分頃,中継の映像の遅れが定期的に広がっていることに気づく。原因は結局分からなかったけど,たぶんネットブックの処理能力が追いつかなかったのだと思う。

急遽,中断のアナウンスをTwitter上で行い,FMEを外して,UstreamのWeb上の画面から再配信。結果として,ちょっと画角は狭くなったが,安定して配信することができた。

DVカメラと中継の2足のわらじは可能だった。ただし,機材が近くにあったから。おそらく機材が離れていたら別の人が必要だったと思う。

書くとあっという間だけれど,中継中はかなりひやひや綱渡りだった。公式でやるなら,もう一台PCをおいてモニタリングする人が必要だったと思う。

【後始末】
Ustreamでの再放送を予定していたので,お疲れ様会終了→帰宅後の深夜1時より作業開始。
Ustreamの画面でのRecording終了時にSaveをきちんとしていなかったので,録画ファイルがなかったorz。DVカメラでの保険があったのでよかったけど。

MacminiにIEEE1394ケーブルでDVカメラをつなぎ,Ustreamの画面上へ。DVカメラは映像,音声ともにきちんと認識されたので,かなり順調に作業できた。一応発表者ごとに音声のレベルのばらつきがあったので,その場で手動で調整した。

今,無事以下のURLで公開中。

(P1) http://ow.ly/1gVoj
(P2) http://ow.ly/1gVnX

3月18日23:59まで公開中です。
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論文を書く時のやらかすポイント(そのいち)

正月をつぶして書いていた紀要論文が無事掲載の方向へ。今回は著者校正なしのカメラレディ一回勝負なので,最初から気をつけて書いたはず・・・と思っていると思わぬミスをやらかしているので,今回は2日に分けてきちんと見直しをやり直しましたよ。

2日に分けて見直しをしたおかげで,だいぶミスが追い出せました。一つびっくりするような間違いがあった(かなり致命的な誤字)のですが,それはこっそり直 すこととして,いくつか私の癖として他でもやらかしそうなポイントがあったので,それをメモしておくことで,今後失敗しないように(あるいは後で気づける ように)しておきたいと思います。たぶん,第2弾第3弾と書くことがあるでしょうから,一応(そのいち)とでも銘打っておきます。
書いているうちに盛り上がってきたので,以前失敗したものも合わせて掲載します。これだけ書いておけばもう失敗しないはず・・・

【本文編】:普段使っているはずなのに,文章にするとなぜダメなんでしょう・・・
・とにかく,「〜ということ」,「〜というもの」を使いすぎる。「こと」「もの」は出来る限り排除する。
・同じ助詞や接続詞の使いすぎ(そして〜,そして〜)
・並列を使いすぎ(また〜,また〜)
・十分に材料をまとめないうちに,「このように」とか,「よって」として結論を書きたがる。
・対立関係が明らかでないのに「〜よりも」,「一方」を使用している。(特に「一方」については,「さて」の代わりに使い込むケースが多い)
・同じ言葉や表現が何度も登場する。(今回の場合は「例えば」,「このような」)
・用語に対しての定義が欠如している。
・主語の欠如,主従の不一致
・指示語の不適切な使用(「これ」「それ」は代名詞。前に出てきてなければ使えない)
・(当たり前だけど)誤字脱字。
・(自分のLaTeXだけかもしれませんが)""の禁則処理。
・参考文献のタイトルの記述ルール(先頭のみキャピタルか,語の先頭がキャピタルか)

【英文抄録編】:日本語の論文でも英語の抄録を付けることが増えてきました。元々英語が苦手な人なので,なおさら気をつけないと・・・Wordのスペルチェック機能ではスルーされるところばかりなので要注意。
・ofを同じ文で2回以上使っている。
・可算名詞の単数形に冠詞を付け忘れる(aかthe)
・順接にはAndはいらない。逆接はポイントを絞って使う。
・日本語を無理に訳しすぎて主語や述語がよくわからない。
・本文中で一回も出ない略語が出てくる。
・Audio-Visualとハイフンを使った語を使いながら,その直後でAudio Visualとハイフンを付けずに記載している。
・educationは可算名詞にあらず(OEDで確認)。
・英文タイトルでの大文字の扱い(語の先頭だけでなく,ハイフンがつく語の扱いを確認)
・(スペルチェックで指摘されるけど)地名とか固有名の大文字の扱い

つーか,間違いすぎだろ自分。
まあ,こうやって世界にさらしておけばもう間違えないだろうと思うのですが・・・。
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Snow Leopardで日本語入力切り替えを速くする

Mac miniを自宅で購入しましたが,快適です。研究室のPCが遅く感じるようになって悩ましいんですが。

さて,自宅PCとなったMac miniですが,日本語入力モードの切り替えがもたつくように感じました。なんかcmd+spaceで押した後,ワンテンポおいてから切り替わるというか。たまに切り替わらなかったりとか。

困ったときのGoogle先生をしてみました。やっぱり同じことで困っている方はいるようで,解決方法もばっちり示されていました。

a2c.get.diary
「OSXでGoogle日本語の使い心地さらに上げる方法」
http://d.hatena.ne.jp/a2c/20091204/1259855080

この記事によれば,10.6から切り替え判定のタイミングが、キーダウンからキーアップに変更になったため,切り替えが遅くなったと感じるようです。リンク先の記事を見て早々に設定変更しました。

さくさく入力できるようになりました。ありがたや。
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