ネットワーク仮想化技術の発展に伴い,物理ルータ間において仮想ルータの移動(ライブマイグレーション)を実現するための研究がなされている.この移動技術によりネットワーク状況に応じたネットワーク構成の変更やメンテナンス時の仮想ルータの退避等が可能となり,より柔軟な仮想ネットワーク環境が実現できると考えられる.先行研究では,ルータの移動を実現することのみに焦点が当てられている.しかし,実運用において仮想ルータの移動技術を利用するためには,仮想ルータの移動を制御する必要があると考える.本稿では,実運用において仮想ルータの移動を利用する場合の考慮事項について述べ,仮想ルータ移動制御機構を提案する.また,仮想ルータ移動制御機構が仮想ネットワーク環境を把握するための方法として,マルチレイヤNDLを提案する.