共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

海域固有のバイオセメントを用いた、環境負荷の無い革新的な海洋環境保全に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K05695
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

想定している海域より、5種のウレアーゼ生産菌が単離でき、それぞれの活性確認が完了している。その内の1種類が特異的に強い活性を示した。しかしながら、標準株のSporosarcina pasteurii株の活性値よりも低く、単離株(G6株)を用いた反応には時間を要することがわかった。一方で、最終的な炭酸カルシウム量はG6株の方が1.6倍多く、バイオセメントの一軸圧縮強度も4倍程度高い値を示した。現時点で、円筒型モールドにより固化したセメントの一軸圧縮試験および炭酸カルシウム析出試験が完了し、炭酸カルシウム析出量に依存した硬度が確認できている。現在、水槽内でアマモ種子を埋包した状態での発芽試験を実施しているところである。試験に使用している砂は、一環して沈設予定地より採取した海砂を用いている。2018年7月には、予定より早く海洋への試験沈設を実施した。しかしながら、台風21号の影響が大きく、沈設物が全て流されてしまった。今後は、台風のタイミングを事前に確認して沈設予定時期を定める予定である。様々な固化条件を検討した結果、水中での崩壊時間をコントロールできる可能性が出て来ており、この件について製造特許の出願にむけた検討を始めた。また、造粒化による固化試験を予備的に行った結果、20から30分程度の短い時間で成形できる上、そのまま1日程度風乾することで固化できる可能性が出てきた。これにより、当初の円筒型だけでなく、粒状のバイオセメントやポーラスバイオセメントなどが効率よく製造できる可能性がある。

ID情報
  • 課題番号 : 18K05695