共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2019年3月

qAIM-MRI による大脳皮質-基底核-視床ループの神経回路シフト解析法の確立

日本学術振興会  科学研究費助成事業  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
17H05543
体系的課題番号
JP17H05543
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
7,020,000円
(直接経費)
5,400,000円
(間接経費)
1,620,000円

脳の神経回路は、学習あるいは疾患の発症などにより、その状態がダイナミックにシフト することが知られている。この神経回路の機能シフトが脳のどの領野でどの程度起こっているのかを捉えるためには全脳の活動を定量的に計測する必要がある。そこで本研究では、定量的活動依存性 Mn2+ 造影 MRI (qAIM-MRI) を種々の疾患モデル動物における神経回路シフト解析に適用しうるよう改良を行い、新たな神経回路シフト解析法の開発を行うと共に、in vitro イメージングにより局所神経回路における神経回路シフト解析の基盤を確立するために、以下の研究を行った。
1. 脳内マンガン (Mn2+) 動態の計測を行い、定量的活動依存性マンガン造影 MRI (qAIM-MRI) による神経活動計測法を最適化した。
2. 線条体直接路ニューロンに発現している D1 ドーパミン受容体 (D1 受容体) のコンディショナルノックダウンマウス (D1R-KD マウス) を用い、D1 受容体欠失が引き起こす神経回路シフトを解析するために、qAIM-MRI による全脳神経活動計測及び種々の運動能力試験及びを行った。その結果、運動能力の低下と相関した脳内の複数の領域で神経活動の異常が見いだされた。
3. qAIM-MRI による慢性疼痛による神経回路シフトを可視化することに成功した。
4. 「in vitro イメージングによる機能シフト発現メカニズムの解明」の基盤を確立するために、急性脳スライス標本を用いて、線条体投射ニューロンである直接路ニューロンあるいは間接路ニューロン特異的に蛍光タンパク質が発現しているマウスを用い、カルシウムイメージング法により直接路ニューロン、間接路ニューロンの入出力特性を詳細に検討した。その結果、直接路ニューロンと間接路ニューロンとでは、発火特性の入力周波数依存性が異なることが分かった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PUBLICLY-17H05543
ID情報
  • 課題番号 : 17H05543
  • 体系的課題番号 : JP17H05543