共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

水素ラジカルによるポリマー材料の分解・除去における酸素微量添加効果の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K04543
体系的課題番号
JP19K04543
配分額
(総額)
3,900,000円
(直接経費)
3,000,000円
(間接経費)
900,000円

ポリマー材料の廃棄物の問題が地球規模で深刻化している。これまで申請者らはリソグラフィー工程で用いられるレジスト(感光性ポリマー)について、水素ラジカルを用いた“環境にやさしい”分解・除去方法を検討してきた。分解速度向上のため、反応性が高いと言われている水酸基ラジカルを生成する方法の1つとして水素に微量の酸素を添加したガスを利用する方法を検討した結果、分解速度を8倍向上できることがわかった。しかし、この向上のメカニズムは不明である。本研究の目的は、酸素添加時に生成される各種ラジカルの反応性やそれらの相互作用を明らかにし、水素ラジカルを用いたポリマー材料の分解・除去における酸素微量添加による分解速度向上の原因を解明し、さらなる分解速度の向上を目指すことである。
酸素添加時に生成される主なラジカルは、水素ラジカル、酸素ラジカル、水酸基ラジカルの3種類である。本年度は、水素ラジカルと酸素ラジカルがそれぞれノボラック系レジストの除去速度に与える影響を調べた。主な研究結果は以下の通りである。
(水素ラジカルの影響)
水素を窒素稀釈することで水素ラジカルの生成量を変化させた。除去速度は基板温度が高くなると増加することが一般的であるが、水素ラジカルの生成量が低下すると温度を高くしても除去速度が低下することがわかった。
(酸素ラジカルの影響)
水素/酸素混合系と比較するために水素の代わりにヘリウムを用い、酸素の割合を変化させることで酸素ラジカルの生成量を変化させた。酸素ラジカルの生成量を増加させると除去速度がむしろ低下した。酸素ラジカルはレジストの分解・除去に寄与しないことがわかった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K04543
ID情報
  • 課題番号 : 19K04543
  • 体系的課題番号 : JP19K04543

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