共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

数学授業において学習者の抱く「数学的価値」に関する日豪比較研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
19K14222
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本研究の目的は,日豪比較を通して,学習者が抱く「数学的価値」の特徴を明らかにするとともに,「数学的価値」が授業の展開や様相にどのような影響を与えているかを明らかにすることである.「数学的価値」とは,数学の内容や性質に対して付与されるものであり,学習者が数学自体に対して抱く「数学とはどのようなものか」「数学とはどのようなものであるべきか」「数学を学ぶ上で重要となる数学の性質は何か」といったことに着目している.
2019年度は,学習者が抱く「数学的価値」の特徴を明らかにするための調査問題について検討した.「数学的価値」の特徴について把握するために,教員志望の日本の大学生を対象として質問紙調査を行った.教員志望の大学生は,数学教育に関する学習者の立場と教員の立場とを併せもつことから,調査の対象とすることで多様な「数学的価値」を捉えることが可能であった.また,大学生であることにより,各個人内にこれまでの学校教育を通して培われている「数学的価値」の確立をみることができ,同時に,自分自身を振り返ることでその「数学的価値」について向き合うことが可能であった.調査結果としては,「数学的価値」には,価値を判断する文脈に着目することによって異なるタイプが存在することを明らかにすることができた.この特徴は,日豪比較において学習者の抱く「数学的価値」を捉えるための質問紙に反映させ,「数学的価値」の特徴として詳細に分析を行う予定である.
これらの研究成果は,日本数学教育学会の第52回秋期研究大会(東京学芸大学)と,2019年度第3回日本科学教育学会研究会(長崎大学)において,口頭にて研究発表を行い,研究者間での意見交換を行った.

ID情報
  • 課題番号 : 19K14222

この研究課題の成果一覧

論文

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