2008年
外反母趾角を短期間で改善させる新たな足底板療法の試み
日本理学療法学術大会
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- 巻
- 2007
- 号
- 開始ページ
- C0970
- 終了ページ
- C0970
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.14900/cjpt.2007.0.C0970.0
- 出版者・発行元
- 公益社団法人日本理学療法士協会
【はじめに】これまでに緒家の研究において,足底板療法により外反母趾角の改善が認めらたという報告は見受けられるが,装着1年以上を必要としている.外反母趾角の改善は即時の疼痛改善をもたらすため,我々は早期に外反母趾角改善が得られる独自の方法を探究してきた.今回,その方法を紹介するとともに,症例を通して有効性について検討したので報告する.<BR><BR>【装具製作法】非荷重位で母趾を徒手にて他動外転させ十分に矯正可能かを評価し,他動母趾外転角-10°以内であり,母趾内反ポイントを徒手にて押して母趾が内反すれば本装具の適応となる.製作法としては内側縦軸アーチ,横軸アーチの保持にDSIS 2軸アーチパッド,後足部を垂直方向へ誘導するためにDSIS ヒールウェッジパッド,EMSOLD社製パッドを踵部に装着する.第1中足骨内反を矯正するためにDSIS LTWパッドを母趾内反ポイントに装着した.さらに第1中足骨回外を矯正するために第1と第2基節骨間までDSIS プレンシートを加工したパッドを第1と第2中足骨間から貼る.また外側縦ア-チの保持のためにEMSOLD社製パッドを踵立方骨間に貼って完成となる.このときダイレクトに矯正が得られる様にベース板の表に全てのパッドを貼ること,第1中足骨内反矯正と第1中足骨回外矯正の2つの矯正を用いたこと,DSISパッドとEMSOLD社製パッドの2つのパッドを使用して誘導を強めたことが独自の工夫である.<BR><BR>【足底板療法による介入効果】症例は15歳,身長162cm,体重45kgの女性,平成18年1月25日に当院を受診し,両外反母趾と診断された.足底装具は運動靴,学校靴に装着した.X線での外反母趾角は足底装具装着前右28°左31°,装着3ヶ月後は右24°左28°,6ヵ月後では右18°左25°と改善した. M1-M2角は足底装具装着前右13°左15°,装着3ヶ月後は右10°左12°,6ヵ月後は右8°左10°と改善した.M1-M5角は足底装具装着前右32°左34°, 装着3ヶ月後は右28°左30°,6ヵ月後は右28°左31°と改善傾向を示した.縦アーチ高率の改善はみられなかった.足の機能評価は,池田らの足部疾患用Visual Analogue Scale(VAS)を用いて各項目(20項目,合計2000点)10cm線分にて評価した結果,足底装具装着前は総合点右1471点左1389点であった.装着3ヶ月後では総合点右1788点左1636点と改善し,6ヶ月後では総合点右2000点左2000点と全ての項目が改善した.<BR><BR>【考察】我々は,短期間で外反母趾角を改善させるには母趾外転筋の作用向上を促すことと,第1中足骨内反と回外の矯正が得られることが最も重要であると考え,内田らの方法に独自の工夫を加えた足底板療法を行ってきた.今後,症例を重ね,有効性について検証してゆきたい.<BR>
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.14900/cjpt.2007.0.C0970.0
- ISSN : 0289-3770
- CiNii Articles ID : 110006800527
- CiNii Books ID : AN10146032