2013年11月
溶媒抽出法に基づく(n,$\gamma$)$^{99}$Moから$^{99m}$Tc製造法の開発
Proceedings of 3rd Asian Symposium on Material Testing Reactors (ASMTR 2013)
- 開始ページ
- 109
- 終了ページ
- 115
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
$^{99m}$Tcは、$^{99}$Moの核変換によって生成される。$^{99}$Mo製造は、現在、高濃縮ウランによる核分裂法(以下、「(n,f)法」という)で行なわれており、世界の供給量の約95\%を生産している。しかし、近年、原子炉の老朽化や輸送障害という問題のために安定供給が困難となるとともに、核不拡散、廃棄物管理等の問題がある。最近、(n,$\gamma$)法による$^{99}$Mo製造が注目されているが、(n,f)法に比べて比放射能が低いという欠点がある。このため、$^{99}$Mo/$^{99m}$Tc溶液から$^{99m}$Tcを溶媒抽出により取出し、さらにアルミナ・カラムを用いて$^{99m}$Tcを濃縮する方法を開発した。本研究では、インドネシアにあるSGR-GAS炉による照射で生成した1Ciの$^{99}$Moを用いて、開発した方法により$^{99m}$Tcの抽出特性を調べた。この結果、$^{99m}$Tcの回収率は約70\%得られた。$^{99m}$Tc抽出液の$^{99m}$Tc放射能は約30GBq/mlを達成した。また、抽出液中の$^{99}$Moの不純物は4.0$\times$10$^{-5}$\%未満、放射化学的純度は99.2\%以上であり、目標値を満足した。