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招待有り
2021年11月25日

Osseous involvementを伴う脊髄硬膜外動静脈瘻(シンポジウム)

第37回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術集会(現地・Web併催)
  • 平松匡文、杉生憲志、安原隆雄、伊達 勲

開催年月日
2021年11月25日 - 2021年11月27日
記述言語
日本語
会議種別
シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)
主催者
福岡大学筑紫病院 脳神経外科
開催地
福岡
国・地域
日本

【緒言】脊髄硬膜外動静脈瘻(spinal epidural arteriovenous fistula: SEDAVF)は比較的稀な疾患群であるが、この中に椎体や椎弓の骨内にAV shuntを有する症例が含まれている。当科の過去の症例をまとめ、文献レビューと併せて報告する。
【方法】2011年以降に当科で経験した、骨内に発生したAV shunt、もしくはepidural AVFで骨内に及ぶvenous pouchを認め、硬膜外静脈叢から脊柱管外に還流する4例の特徴と治療結果をまとめた。
【結果】平均58歳(43-68歳)、女性3例。3例で近傍の脊椎手術歴、1例で圧迫骨折歴を認めた。1例は硬膜内逆流に伴ううっ血性脊髄症で発症し、2例は拡張したvenous pouchによる脊柱管狭窄に伴う症候で発症した。残る1例はosseous AVF・epidural AVFに加えてdural AVF・perimedullary AVF・paravertebral AVFなど複数のAVFが多発した症例であり、進行性の対麻痺で発症した。全例で4本以上の分節動脈からの無数のfeederを認め、AV shunt levelはTh12-L3の中に含まれており、骨内から脊柱管内にかけて拡張したvenous pouchを介して硬膜外静脈叢から脊柱管外に還流していた。1例のみで硬膜内逆流を認め、直達術による硬膜内逆流静脈の離断を行った。残る3例では拡張した静脈に対して、コイルと液体塞栓物質を併用したtransvenous embolizationもしくはtransarterial venous embolizationを中心とした血管内治療を行い、良好な塞栓結果を得た。全例で治療に伴う合併症は認めず、多発AVF以外の3例で症候の改善が得られた。
【結語】当科で経験したosseous involvementを伴うSEDAVFでは、通常のSEDAVFとは異なり無数のfeederとdiffuse shuntを呈していたため、コイルと液体塞栓物質を併用した静脈側の治療が必要であった。