共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

ヒト探索行動の認知神経科学:知覚、記憶、意思決定の動的相互作用の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
16H01727
体系的課題番号
JP16H01727
配分額
(総額)
43,810,000円
(直接経費)
33,700,000円
(間接経費)
10,110,000円

(1)視覚探索に関する研究:日本人と北米人における視覚探索の文化差の研究成果を踏まえ、University of British Columbiaとの共同研究をさらに進めるとともに、新たな東アジア文化圏の拠点としてNational Taiwan Universityとも共同研究を行った。カナダとの共同研究では、先行課題による視覚探索特性の変容メカニズムの検討を継続した。台湾では、先行研究の日本人の視覚探索のパターンを追試するとともに、文字に関する視覚経験が探索行動の変容をもたらしている可能性が示唆された。視覚探索と記憶探索を比較する実験の結果、課題間の相関は見られず、両探索課題の意思決定プロセスはそれぞれ課題依存的である可能性が示唆された。視覚探索における報酬と注意に関する研究では、報酬学習が視覚探索における注意捕捉に影響を与える価値駆動的注意捕捉に関して、報酬学習が古典的条件づけによっていることを明らかにした。
(2)記憶探索に関する研究:自伝的記憶探索に関して,自伝的記憶における自己概念の抽象度によって変容する脳内機構についてのfMRI研究を実施した。視覚性ワーキングメモリにおける特徴統合が従来言われているよりも頑健であることを示した研究が国際誌に採択された。Hebb反復を用いた記憶の系列再生課題に関する研究から、位置情報の再生が時系列に依存することが明らかになり、この成果が国際誌に採択された。
(3)自己意識の探索に関する研究:瞑想に関して、瞑想実践者を対象とした集中瞑想・洞察瞑想時の脳活動を調べた研究が国際誌に採択された。また、そのメカニズムについて詳細に検討するために、短期の介入インストラクションの開発を行った。またtDCSを用いて機械学習を用いた刺激パラメータの設定により、マインドワンダリングを低減させる手法についての検討を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16H01727
ID情報
  • 課題番号 : 16H01727
  • 体系的課題番号 : JP16H01727