2017年2月
ピンチ動作時における長母指屈筋および短母指屈筋の筋活動特性
日本手外科学会雑誌
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- 巻
- 33
- 号
- 5
- 開始ページ
- 833
- 終了ページ
- 836
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本手外科学会
母指の屈筋には長母指屈筋(FPL)と短母指屈筋(FPB)があるが,ピンチ動作におけるこれらの筋の貢献度は明らかでない.本研究ではピンチ動作における両筋の働きを筋電図学的に検討した.対象は健常男性7名とした.動作課題は母指と示指による指腹ピンチのリニアランプ負荷課題とし,ピンチ時の母指IP関節は,屈曲,伸展の2肢位を設定した.被験筋はFPLとFPBとし,ピンチ力発揮時の筋電図は双極ワイヤー電極を用いて導出した.その結果,FPLとFPBの筋電図積分値の最大随意収縮時に対する割合(%IEMG)は,母指IP関節の肢位を問わずピンチ力の上昇に伴い有意に増加していたが(P<0.01),最大ピンチ力発揮時でも,FPLはIP関節屈曲位で42%,IP関節伸展位で39%,FPBは屈曲位で53%,伸展位で69%であり,両筋共に最大筋活動に達していなかった.またFPLの%IEMGは,いずれの母指IP関節肢位,ピンチ力においてもFPBの値を勝ることはなかった(P<0.01).指腹ピンチ動作の再建や改善には,これらのことを踏まえて実施する必要性がある.(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 2185-4092
- eISSN : 2188-1820
- 医中誌Web ID : 2017203244