共同研究・競争的資金等の研究課題

2011年 - 2013年

皮質脊髄路シナプスの形成・可塑性・臨界期とそのメカニズム

文部科学省  科学研究費補助金(基盤研究(B))  基盤研究(B)

課題番号
23300141
体系的課題番号
JP23300141
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
14,040,000円
(直接経費)
10,800,000円
(間接経費)
3,240,000円
資金種別
競争的資金

1) 前年度、スライス培養(in vitro)における皮質脊髄(CS)シナプス除去の臨界期がGluN2B依存性で、これをもとに臨界期が操作可能であることを示したが、現在、視覚皮質などにおいて発達期可塑性の臨界期を決定する要因として興奮/抑制バランスが重要な役割を果たしているとの説が有力である。我々の系でも抑制をstrychnine等で抑えて2Bを介するCa流入量を増大させると臨界期が延長させうることがわかり、抑制の発達が臨界期終了の修飾因子となっている可能性が示唆された。前年度in vivoや急性スライスで導入したChR2をin vitro実験においても導入し、CS軸索のoptogeneticな選択的刺激が可能となり、また軸索終末の分布の評価にも使えるため方法的に大きな前進となった。2) In vivoにおいては、皮質脊髄路軸索と運動ニューロン(MN)を前者はChR2-YFP, 後者はTMNで標識して電顕で追跡する技術を開発し、両者間の関係やシナプス構造とその発達を追跡する基礎を固めた。3)前年度、幼若期における皮質脊髄単シナプス結合を電気生理学的に証明したが、MNからのホールセル記録時にNeurobiotinを注入しておいたMNの形態を詳細に観察解析した。MNは従来より星状細胞の代表格で、その異質性には注目されていなかったが、皮質脊髄シナプスを受けるMNは樹上突起の配向に特徴があること、MNプール毎に形態的特徴があることが示唆された。現在それらの定量的評価法を開発しつつある。4) 皮質脊髄線維の脊髄内終末の発達変化を頸膨大(C7)、特にシナプス除去が起こることが予測される腹外側部において研究するため、P7から成体に至るまで終末を網羅的かつ定量的に、画像処理ソフトにより自動解析する方法を確立した。

リンク情報
URL
http://kaken.nii.ac.jp/d/p/23300141.ja.html
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-23300141
ID情報
  • 課題番号 : 23300141
  • 体系的課題番号 : JP23300141