共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年6月 - 2021年3月

右前頭葉機能の賦活・抑制に関わる新規神経機能ネットワークの解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
19K22801
体系的課題番号
JP19K22801
配分額
(総額)
6,500,000円
(直接経費)
5,000,000円
(間接経費)
1,500,000円

本研究プロジェクトの目的は,右前頭葉機能の賦活・抑制に関わる神経機能ネットワークの解明である.脳には機能の賦活と抑制に働くネットワークが存在し,両者が均衡を保つことにより精巧な運動や高次の認知機能を働かせることができる.申請者はこれまでに約150例の覚醒下手術に脳機能の評価者として従事し,手術中の所見から運動機能には賦活と抑制に関わる領域が存在することを直接的に確認した.覚醒下手術とは脳内病変の手術法の一つであり,脳局所の電気刺激,つまり神経細胞の活動を抑制・賦活することにより脳機能を直接的に調べ,温存できる唯一の方法である.本研究では,下記4つのプロジェクトを展開する.術前から慢性期までの経時的高次脳機能検査,脳機能イメージングを用いた画像統計解析,屍体脳を用いた白質解剖,そして覚醒下手術による検証により目標を達成する.本研究プロジェクトは,脳機能局在は脳が賦活する部位を調べるという,当然のように考えられてきた固定観念を全く覆す挑戦的研究である.
初年度は以下の研究を実施した.
1.経時的高次脳機能検査と脳機能イメージングを用いた画像統計解析より,右前頭葉機能のうち感情理解に着目し,賦活と抑制に関わる領域を調べた.この結果,損傷されると正答率が低くなる領域(賦活)と,損傷されると正答率が低くなる領域(抑制)に関わる領域があることを見いだした.
2.注意の抑制に関わる領域として推定される帯状回の機能について調べた.そして,帯状回の中でも中心的な役割を果たす領域を見いだし,その部分の損傷による予後を明らかにした.
1,2については論文投稿し,現在は査読中である.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K22801
ID情報
  • 課題番号 : 19K22801
  • 体系的課題番号 : JP19K22801