2017年
漢語の仮名表記 : 実態と背景
言語資源活用ワークショップ発表論文集 = Proceedings of Language Resources Workshop
- ,
- 巻
- 号
- 1
- 開始ページ
- 201
- 終了ページ
- 213
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.15084/00001475
- 出版者・発行元
- 国立国語研究所
会議名: 言語資源活用ワークショップ2016, 開催地: 国立国語研究所, 会期: 2017年3月7日-8日, 主催: 国立国語研究所 コーパス開発センター本発表は,本来漢字で表記されるはずの漢語が平仮名や片仮名で表記される事象を取り上げ,『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(以下,「BCCWJ」と表記)を用いて,その実態と背景を明らかにすることを目的とする。BCCWJ の網羅的な漢語の表記実態調査に基づき,個々の語の仮名表記率から,仮名表記が,主たる表記である語,ある程度一般的である語を特定した上で,仮名表記の定着度合いに,字体特徴(常用漢字表外字・音を含む語は仮名表記率が高いが,表内字でも仮名表記率の高い語がある),語の出現状況(語彙レベルが高い語ほど仮名表記率は低い),音声変位形の有無(「格好」に対する「カッコ」のような音転訛形を持つ語は仮名表記率が高い),意味分野(動植物や食物の分野では仮名表記率が高い),品詞(副詞用法を持つ語は仮名表記率が高い),レジスター(Web 媒体は仮名表記率が低い)等との関連性が見られることを示す。また,字体特徴にかかわらず,意味分野や品詞において特定の語彙群に同様の傾向が見られるのは,表記選択に類似性に基づく合理化作用が働くことによると主張する。
- リンク情報
- ID情報
-
- DOI : 10.15084/00001475
- CiNii Articles ID : 120006668375