講演・口頭発表等

2015年3月

固有ジョセフソン接合系におけるテラヘルツ発振の接合数依存マルチスケールシミュレーション

非線形現象の数値シミュレーションと解析2015
  • 太田 幸宏
  • ,
  • 町田 昌彦

記述言語
日本語
会議種別
開催地
札幌

層状銅酸化物超伝導体Bi$_2$Sr$_2$CaCu$_2$O$_8$によるテラヘルツ発振の観測を契機に、その発振機構の解明は理論および実験の両面から大きな関心を集めるテーマとなっている。特に、系統的なデバイス設計に役立つシミュレーション法の確立は当該分野で待望されている。シミュレーション上の困難として、デバイス内および外を含む大規模な電磁場解析が要請されることがある。そこで、我々は空間スケールに関するマルチスケールシミュレーションを実装する超並列化計算コードを開発し、その解決にあたった。本コードの特色として、固有ジョセフソン接合の接合数依存性を系統的に調べることが可能となる点があげられる。すなわち、接合数に対する発振特性が解明される。シミュレーションの結果、基本モードに相当する発振ピーク強度が接合数の二乗に比例することを見出した。さらに、同位相モードは接合数が100程度になると顕著になることを見出した。このようにデバイスに含まれる接合数に応じた発振特性の予測の基盤を構築できる。