講演・口頭発表等

2015年11月

半経験的分子軌道法を利用した有機分子におけるイオン吸着サイトの全探索

第29回分子シミュレーション討論会
  • 太田 幸宏
  • ,
  • Ruiz Barragan, S
  • ,
  • 町田 昌彦
  • ,
  • 志賀 基之

記述言語
日本語
会議種別
開催地
新潟

中$\cdot$大規模分子系において網羅的な化学反応経路探索を実装することは、反応機構の解明や未知の触媒反応の開発など学術的、及び産業的に重要な課題に寄与する。本講演では、半経験的分子軌道法による、生体由来有機分子を対象とした反応経路自動探索ツールを開発し、セルロース(樹木の主成分)における放射性セシウムを含むイオンの吸着サイトを全探索を実行した結果について発表する。開発した手法は、反応経路自動探索ツールとして知られるGRRMと半経験的分子軌道法パッケージMOPACを接続する計算コードにもとづく。この手法により、半経験的分子軌道法という低レベル計算による網羅的探索、そして、この計算化学によるスクリーニングを経て、密度汎関数法などより高レベル計算に対する良い初期構造を提供することが達成される。講演では、$\mbox{Li}^{+}$, $\mbox{K}^{+}$, $\mbox{Cs}^{+}$のセルロース($(\mbox{C}_{6}\mbox{H}_{5}\mbox{O}_{6})_{n}$)に対する吸着サイトを探索し、特徴的な吸着構造と機構を解明する。