講演・口頭発表等

2016年11月

計算機シミュレーションによる請戸川河口付近における放射性物質が付着した土砂の移動予測

日本陸水学会第81回大会
  • 山田 進
  • ,
  • 北村 哲浩
  • ,
  • 中西 貴宏
  • ,
  • 佐久間 一幸
  • ,
  • 町田 昌彦

記述言語
日本語
会議種別
開催地
西原

本発表は福島長期環境動態研究(F-TRACE)の一環として実施した2次元河川シミュレーションコードNays2Dによる福島県の請戸川の河口付近での土砂の堆積分布予測およびセシウムの振る舞いに関する研究についての発表である。放射性セシウムの多くは土砂(粘土)に吸着し、土砂とともに移動する。そのため、洪水時のように流速が速くなると浮遊して流され、流速が遅くなるとに堆積することが知られている。そこで、原子力機構の並列計算機SGI ICEXを用いた並列シミュレーションにより請戸川の河口付近における洪水時の放射性セシウムが付着した浮遊砂の振る舞いを調査し、放射性セシウムの堆積を予測した。特筆すべき成果は、河口付近で合流している高瀬川の影響で請戸川の流れが北方向に曲げられ、河川の北側に放射性セシウム濃度の高い土砂が多く堆積することを示したことである。また、観測結果もシミュレーションと同様の傾向を示している。この成果は、計算機シミュレーションを用いることで河川によるセシウムの振る舞いを予測することが可能であることを示している。