ICP-MSによる使用済燃料中ジルコニウム同位体の定量
第75回分析化学討論会
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- 開催年月日
- 2015年5月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 甲府
- 国・地域
- 日本
使用済燃料中にはUの核分裂によって生成した様々なZr同位体が存在する。そのうち$^{93}$Zrは、半減期が150万年と極めて長く、長期にわたって環境に影響を及ぼす可能性がある。したがって、分析値に基づく$^{93}$Zr放射能の推算が、放射性廃棄物の処分安全評価には不可欠となっている。$^{93}$Zrの定量には、高感度同位体測定が可能な質量分析計ICP-MSが有効である。本研究では、ICP-MSの測定前処理条件と定量条件を最適化することによって、簡便かつ確実な分析方法を提案することを目的とした。測定前処理については、1回の陰イオン交換操作によって、測定妨害元素(Sr, Nb, Mo等)、放射性核種を含む元素(Cs, Ba, Pu等)、および主成分Uを全て除去できる条件を見出した。また、天然Zr元素を既知量添加した試料における$^{93}$Zr/$^{91}$Zrと試料中$^{93}$Zr /$^{91}$Zrの測定値の比較から$^{93}$Zr濃度を簡便に算出する手法を適用し、使用済燃料中$^{93}$Zrの正確な測定値を得た。