MISC

2022年6月

血管透過性を標的とする新しい抗炎症薬の開発

臨床薬理の進歩
  • 岡田 欣晃
  • ,
  • 森田 真綾
  • ,
  • 高橋 潤也
  • ,
  • 木下 真由美
  • ,
  • 土井 健史

43
開始ページ
69
終了ページ
75
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(公財)臨床薬理研究振興財団

内皮細胞におけるRobo4(Roundabout4)の発現促進により敗血症病態を緩和できるかを評価するとともに、Robo4発現促進分子の探索とその敗血症治療効果を解析した。CAGプロモーター、stopコドン、loxP配列、マウスRobo4のcDNAを含むDNA配列をC57BL/6マウスの受精卵に導入後、偽妊娠マウスに移植した。導入配列を持つマウスを選択し、CDH5-Cre/ERT2マウスと交配させ、血管内皮細胞特異的にRobo4を過剰発現するマウスを樹立した。血管内皮細胞へのRobo4発現の促進が敗血症病態を緩和することが示され、Robo4発現促進分子が敗血症治療薬となる可能性が示された。bone morphogenic protein 9(BMP9)は受容体ALK1に結合し、SMAD1/5を介してRobo4発現を抑制することが示された。Robo4発現促進作用を有するK02288が敗血症マウスの血管透過性に与える影響を解析したところ、K02288がLPS投与マウスの肺の血管透過性を抑制することが示された。

ID情報
  • ISSN : 0914-4366
  • 医中誌Web ID : 2022236143

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