2016年12月
臨床家のための質的研究(前編):「方法」に走る前に身につけたい3つの構え
医学教育
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回数 : 1561
- 巻
- 47
- 号
- 6
- 開始ページ
- 353‐361
- 終了ページ
- 361
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.11307/mededjapan.47.6_353
- 出版者・発行元
- 日本医学教育学会
臨床家の間で質的研究への関心が高まって久しい. しかし統計的な調査に慣れ親しんだ臨床家は, 質的研究を行うにあたってまず「やり方」を探してしまう傾向が強い. しかし質的研究は量的研究と異なり, 調査現場から方法が立ち上がる. つまり質的研究には多くの方法が存在するが, それはあくまで参考程度のものであり, 必要があればそこに改編を加えることは構わないのである. 質的研究を志す際にもっとも重要なのは, 研究者が現実に対しどのように向き合うのかという身構えである. したがって本論考は質的研究の初心者に向け, 筆者の専攻である文化人類学を元にしながら, 質的研究を実施する際に必要な次の三つの構えを紹介する. 一つには上空飛行的視点ではなく, 肩越しの視点を持つこと, 二つには, 管理するのではなく理解しようとする態度を持つこと, 最後には, データの質的平均を導くのではなく, 新たなものの見方を発見しようとすることである.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11307/mededjapan.47.6_353
- ISSN : 0386-9644
- J-Global ID : 201702244365583072
- CiNii Articles ID : 130005950177
- CiNii Books ID : AN00013280
- identifiers.cinii_nr_id : 9000362817818