2011年
東日本大震災における東洋医学による医療活動
Kampo Medicine
- 巻
- 62
- 号
- 5
- 開始ページ
- 621
- 終了ページ
- 626
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3937/kampomed.62.621
- 出版者・発行元
- The Japan Society for Oriental Medicine
平成23年3月11日に発生した東日本大震災は,巨大な地震と津波により東日本の広い範囲に甚大なる被害をもたらした。東北大学病院では被災地域への医療支援を行ない,漢方内科においても東洋医学を中心とした活動を行なった。ライフラインが復旧せず医療機器の使用が困難な中にあって,医師の五感により病状を把握し治療方針を決定できる東洋医学は極めて有効な診断・治療方法であった。被災直後には感冒,下痢などの感染症と低体温症が課題であり,2週間経過後からアレルギー症状が増加し,1ヵ月以降は精神症状や慢性疼痛が増加した。感冒や低体温に対する解表剤や温裏剤,咳嗽やアレルギー症状に対する化痰剤,疼痛やコリ,浮腫に対する鍼治療・マッサージ施術は非常に効果的であった。人類の過酷な歴史的条件の下に発達した東洋医学は大災害の場でも有効であることを確認した。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.3937/kampomed.62.621
- ISSN : 0287-4857
- J-Global ID : 201102200148746698
- CiNii Articles ID : 130002124031